「あの、俺、本当に好きで、」

「うん」

「好きで好きで堪らんくて、」

「うん」

「で、俺達ももう高校卒業するし、」

「うん」

「…ほんっとうに好きで、」

「うん、だから私押し倒されてるの?」

「…良い?触っても」

「あのさ、そういうのは雅治君がリードするものだよ?私も初めてだもん」

「…うん、ごめん」

「謝らないのー。それに、その質問ちょう愚問」

「えっ!?」

「好きで好きで堪らないのは自分だけとか思ってないよね」

「あ、え、あの」

「こっちだって大好きなんだけど」



そう言うと雅治君は心底びっくりしたように目を見開いて、そして、優しくふにゃりとした表情で笑った。その後の雅治君は、普段のヘタレた部分なんてちっとも感じさせないくらい格好良くて、不覚にも泣きそうになった。あぁ、やっぱり私この人の事が大好きだなーって実感した。
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