「生まれ変わったら、次こそは貴方の隣にいたい」

「いきなりなんですか、藪から棒に」

「昨日見たドラマの最終回で、主人公の女の子がそう言って死んでったの。どう思う?」

「くだらないですね」

「絶対そう言うと思ったー」

「そんなのに感情移入しているんですか?」

「ううん、出てる女優さんが好きだから見てただけー」

「またキャストだけで決めたんですか。いい加減やめなさい、その癖」

「だって、いくら内容が良くても嫌いな人出てたら見る気にならないもん」

「へぇ」

「興味無いでしょ?」

「わりかし」

「わりかしの使い方間違ってるよ」

「それより、腹減ったんですけど」

「あ、ちょっと待って、もうすぐ出来る」

「ですが、俺は生まれ変わってもまた貴方の隣にいたいと思いますよ」

「おぉ!唐突に掘り返して来た!」

「言ってほしいのかなと思って」

「うふふー。バレたー。でも蓮二君、それは間違い。生まれ変わる瞬間もずっと一緒なんだから、次とかまたとか無いよ」

「クサイですね」

「ね。あ、魚焦げた」

「本当に臭いです」

「うふふー」
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