「じゃあ、明日は22時に駅前待ち合わせね」

「だから、家まで迎えに行くっつってんだろ。俺の仕事のせいで夜遅い時間帯なんだし」

「大丈夫だって、私もその間友達といるから。宍戸さんは過保護でしゅねー」

「うるせーっつーの!つーかなんでいちいち待ち合わせにすんだよ、しかもいっつも遅いし」

「ん?秘密ー。女は少しくらい遅れて行くものでしょう」

「意味わかんね」



そりゃあ安全面を考えたら家まで来てもらうのが1番なんだろうけど、それをしないのにはちゃんとした理由がある。本当はちゃんと時間前に着いていても、私はあえて宍戸さんより後に待ち合わせ場所に姿を現す。だって、私を探している宍戸さんの姿が、そして、私を目に捉えた時の宍戸さんの表情が、凄く好きなんだもの。



「ま、宍戸さんには一生わかんないかなー」

「へいへい…じゃ、明日な」

「うん、おやすみなさい」



だから、明日も私の事を探して嬉しそうな顔をしてね、宍戸さん!
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