「…な、何か凄いね。皆カップルばっかり」

「此処はデートスポットだからな。夜になれば自然とそうなるのは当たり前だろう」

「いくら暗いからって私にはあんな真似できないや…恥ずかしくて…」

「あぁ、俺もしたくない」

「だよね」



俺の前だけで見せるお前の顔を他の奴にそう易々と見せてたまるか。その意を込めて繋いでいた手を握り返せば、恥ずかしそうにはにかんだ顔で見上げて来た。嗚呼、やっぱり見せたくない。
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