「いっやーマジでお前ウケる!最高!」

「真田をあそこまで怒らせた女は後にも先にもお前だけじゃ」

「別に嬉しくないんだが」



結局真田はあれから昼休みが終わるまでの間、ずっと田代に説教を食らわしとった。俺達はその光景を笑いながら見とったわけじゃったけど、説教の間もずっと話は噛み合っとらんくて…最終的には田代の素ボケに真田が対応しきれんくなって終わった、っちゅー感じじゃったな。時間の関係もあったけど。



「なぁなぁ、今度また真田怒らせてみろよぃ!」

「絶対やだ。面倒くさい」

「確かに面倒じゃけど、見とる側としては面白いぜよ」

「君達は面白くても私は面白くない」



柳生も柳生で、あの後は田代のことは諦めたんかなんも話さんまま終いじゃった。しつこい事と折れない事で(俺の中で)有名な柳生を諦めさせるとは、流石じゃ田代。ちなみに、本人にその気が無いのは言うまでもない。



「幸村君のあの楽しそうな笑顔も中々だったよなー、試合で勝った時でもあんな表情しねぇっつーのに」

「確かに、幸村があんな笑った所は初めて見た」

「笑っている理由があまり良いものではないだろう。君達は全員悪趣味だ」

「うっわーひっでー」

「ただ、桑原君は別だが」

「田代はこれからジャッカル贔屓でいくんか」



そして、田代の方向性が日に日にわからなくなっとるのも言うまでもない。



「それより2人共、そろそろ前を向いた方が良い。先生が睨んでいる」

「ゲッ!」

「確かに。じゃあまた後で」

「私はもう話さない」



まぁまぁそう堅い事言わずに。

そこで俺達3人の会話は終わったが、後ろでは相変わらずブン太が田代にちょっかいを出している音が聞こえる。この音は多分、田代に向けてシャー針を折って飛ばしてる音じゃ。最近ブン太あの遊びハマッとるし。パキッ!っちゅー音が絶え間なく聞こえる。



「いってぇ!!」

「丸井!!後で職員室に来い!」

「え、ちょ、えぇえー!?」



…と思ったが、途端に教室にはブン太のそんな叫び声が響き渡った。田代がなんか反撃したんじゃろか?そう思い先生の気がブン太に向いとるうちに後ろを振り向くと、



「ブッ、!」



そこには、踵でブン太のつま先を思いっ切り踏んどる田代がおった。しかも無表情で。俺はそのギャップに思わず吹き出して、すぐに前に向き直った。後ろからはブン太の痛がる声が微かに聞こえてきて、その感じがまたツボに入る。



「田代、マジごめんって許して!」

「やだ」

「いった、いてっ…!」

「(我慢、我慢、吹き出すな俺)」

「…丸井君」

「なんだよ!?」

「鼻が膨らんでる。豚みたいだ」

「ブハッ!!」

「はぁああぁーー!!??」



この後、吹き出したのがバレて先生に俺とブン太が呼び出されたのはまたしょーもない話。田代、セコい!
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