「やっぱカルビだろぃ」

「同意だ」

「えーでも豚トロも捨てがたいっす!」



場所は変わりスーパー。柳君と仁王君は一度自宅に戻りコンロ類を取りに行っているため、此処にいるのはそれ以外の者となる。丸井君と切原君があーだのこーだの言っている間に幸村君が割り込み、だから部費で落とすから好きなだけ買っていいって言ったじゃん、と言ったことによりそのいざこざは無くなった。スーパーに入ってから約5分の現時点で、籠は既に3つ目だ。良心のある柳生君がその膨大な量に少し冷や汗を流しているが、部費で落とすというのなら私も遠慮はしない。どんどん入れよう。



「すっげぇ量だな、予想はしてたけどよ」

「赤也!丸井!カートなどという怠惰なものを使うな!手持ちで鍛えろ!」

「真田うるさいよ」



桑原君がこの量に苦笑いし、真田君が喚き、幸村君が辛辣にそれを刺し。なんら変わらないいつも通りの光景だ。籠の中には肉や野菜だけでなく、幸村君リクエストのマシュマロ、他にはポテトチップスなどのお菓子、飲み物も大量に入っている。その結果、会計の時籠は全部で12個までいった。これでももしかしたら足りないかも、と思うのだから、その食欲はやはり底知れない。店員もドン引きだ。

そんな感じで材料を買い終え、ようやく河川敷に向かう。柳君と仁王君とも合流し、準備に取り掛かる。とりあえずは柳君が持って来たブルーシートを広げるところからだ。



「田代は左端、仁王は右端を持ってくれ。あと柳生はこっちの左端を頼む」

「わかった」

「わかったなり」

「わかりました」



柳君の指示で私達はブルーシートの四つ角を持ち、バサッと広げた。敷いた直後、その上にすかさず寝転んでみると仁王君も同じことを考えていたのか、頭同士をぶつけた。痛い。



「田代、痛い…!」

「こっちの台詞だ、なぜ同じ事をする」

「お前らが同時に寝転がりこうして頭をぶつけ合う確率は74%だったが、まさか的中するとはな」

「遊んどらんでさっさと準備せんか!」



結局真田君に怒られ私達は渋々立ち上がった。ちょっとした出来心だったのに。



「よしよし先輩、痛くないっすかー!」

「ははっ、たんこぶになってやんのー」



立ち上がるとすかさず寄って来たのは切原君と丸井君だ。2人とも私の頭をいいように撫で回して笑っている。なんで私なんだ、仁王君の方に行けばいいのに。

とまぁこんなこともあったが、私達は引き続き焼肉の準備に取り掛かった。包丁で指を切ったらしい切原君がうるさい。
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