Let's Party!

「平和ねぇー」

「陽射しがきもちー」

「…お前等、授業中だぞ」



先日の騒動もようやく決着が着き、いつもの穏やかな日常が再び彼らに戻ってきた。



「あ、キヨからメールだ」

「ちゃっかりアドレス聞かれたのね」

「油断も隙もねぇな」



携帯に目を向ける泉に、外を眺める香月に、呆れたように相槌を打つ跡部に、爆睡している芥川。ちなみに今は授業中なのだが、それはあまり彼らにとって関係ないらしい。何とも自由人である。



「あ、じゃあ泉にあの話聞こうかな」

「あの話?」

「何だよソレ」

「…やっぱりアイツらの反応も見たいし昼休みにしよーっと」

「んー?」



そう話す香月の表情はとても笑顔で、言葉の意味が分からない跡部と泉は目を合わせ、首を傾げた。果たして何を考えているのやら。



***



「泉せんぱーいっ!」

「おーっ」



昼休み。いつも通り屋上で昼食をとるメンバー達だが、鳳は泉の姿が見えるなりバタバタと犬のように駆け寄って来た。それを優しく受け止める泉は、まるで飼い主さながらだ。



「今日会うの初めてですね!俺会いたくて仕方なかったんですよ!」

「ありがとー」

「ほんま毎日毎日熱烈やなぁ」

「ったく、恥を知れ」

「激ダサ」



日常茶飯事ではあるものの、やはり先輩達からの呆れ声は消えない。とはいえ、当の本人は全く気にして無い様子だが。



「いいから早く食おーぜ!」

「うん、そうだね」

「ウス」



向日の言葉で彼らは1番日当たりが良く気持ちのいい場所に座り、それぞれ昼食を取り始めた。

他愛も無い話をしながら昼食を取り始めて、どれ位経っただろうか。突如泉は何かを思い出したように声を上げ、それに彼らは反応した。



「そういえば、香月が言ってた話って何?」

「…そんなこと言ってたな」



泉のその発言で、全員の視線は卵焼きを頬張っている香月に集中した。だが彼女自身忘れていたのか、数秒瞬きしたあと「あぁ」と呟き、こう話し始めた。



「泉の元彼の話」



香月の発言は一部の者にとっては爆弾発言ともとれたようで、その場には若干名が吹き出す音が響き渡った。
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