「この後はどうするん?」

「国際通りは一通り回ったもんね。何処か行きたい場所ある?」



忍足と滝の仕切り直しに全員が頭を捻らせるが、常にその場で行動している彼らに次の案は無い。沖縄らしい事は大体堪能したのでどうするべきか、と悩んでいると、不意に向日が「あ!」と何かひらめいたように手を叩いた。



「プリクラ撮ろーぜ!プリクラ!」

「プリクラだぁ?」

「Eじゃん宍戸ー!楽しそー!」



思ってもいなかった案に最初こそ眉を顰めた宍戸だが、子供2人があまりにもしつこくせがんで来るので投げやりにOKを出した。他の者は特に反論も無く、そのまま成り行きでゲームセンターに足を進める。



「プリクラなんて何年ぶりだろう」

「香月も?私もだよ。最新機種とか全然分からない」

「そこらへんは他の子とちゃうよな、自分ら」

「確かにそうかも…もうちょっと元気よく行ってみる?」

「似合わないからやめとこ」



なんていう冗談をかわしつつ、ものの数分でゲームセンターに到着。平日の昼間なだけあり人はそこまでいないが、プリクラコーナーにいる女子高生の注目の的になるのは最早当然だった。特に研修旅行は終日私服なので、忍足や跡部は到底高校生には見えず、それが余計彼女達をヒートアップさせているのも言うまでもない。



「あの人モデルかなぁ?だってさ、跡部。やったじゃん」

「嫌味かお前」



滝が茶化すように言うと周りも跡部をからかい始め、その様に泉も笑う。どの機種が良いかなどは分からないので彼らは適当に大人数用のプリクラに入り、またもや子供2人を筆頭に操作を始める。



「超美白がEー?」

「俺ら今回の沖縄で日に焼けたしちょうどいいんじゃねぇ?」

「適当過ぎやろ岳人」



そんな具合で操作を進め、画面に彼らの姿が映し出される。



「おい、カメラは何処だ」

「これだよ景吾、違うそっちじゃなくて、っ眩しい!」

「朝倉もちゃんとカウント聞いとけよ」

「なぁなぁ次変顔しようぜ!」

「うわぁあ超美白モードやばいC!忍足目くりっくりじゃんキモ!」

「俺の扱いなんなん」

「へぇ、足までこんなに長くなるんだ。安西さん凄い事になってるよ」

「元が長いからね」



最初はうるさそうに顔を仰いでいた数名も、撮って行くうちに段々楽しくなってきたのか、最終的に彼らは4枚ものプリクラを撮った。プリクラの機能により顔が著しく変化している者もいるが、それもまた思い出だ。



「徐々に慣れて行く景吾の過程が面白いね、あー笑ったー」

「そうかよ」



時間はあっという間に過ぎて行く。
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