「結局倉庫に放置してる間に逃げたみたいけど、まぁ携帯番号とか身分証の控えは取ったし、何より氷帝生だし処分はのちに決まるでしょ。今日はゆっくり休もう」 「うん、そうだね」 あれから皆とご飯に行ってたらふく食べて、今は香月がウチに泊まりに来ている。病院側にはなんとか無理を言って外泊許可を取ったみたいだ。まぁ、全治3週間と言われていたけど香月の回復力は半端じゃなかったし、実際後少しで退院出来るみたいだったからそこまで支障は無いと思う。とはいえ明日帰ったら怒られる事間違いなしだろうけど。 「それにしても危なかったわね。本当に未遂だったんでしょ?」 「大丈夫だよ。私あぁいう経験無いから怖かったのは確かだけど」 「え、そうなの?」 話の流れでそう話せば香月は驚いたように目を見開いて、やっぱりこの歳で今まで何も無いと言うのは遅いのかな、と思い直す。 「付き合った事はあるんでしょ?」 「一応だけどね」 「まぁ、この話はまた落ち着いてから聞こうかな。寝る前にホットミルクでも飲もうよー」 でもその話題は今は長く続かず、疲れている私を気遣ってかホットミルクは香月が用意してくれた。ベッドの横に布団を引いて、暖まりながら2人で色んな事を話す。 「思い返すとやっぱり辛いけど、皆がいてくれて本当に良かった」 「あいつらの行動力凄いしね」 「誰かさんは病院から抜け出して来ちゃうし」 「誰の事だろうー」 そうしているとホットミルクはすぐに飲み終えて、電気を消しおやすみと言葉を交わす。ここ数週間の出来事がフィルムのように頭の中で再生される中、最後にはしっかりと皆の笑顔が映って、最近悪かった寝つきが嘘のようにすぐに眠りにつけた。今日は、良い夢が見れそうだ。 |