コンコン。ドアをノックする。



「朝倉か」

「えっ!?朝倉ちゃん!?」



まずは、氷帝から1番部屋が近い青学部屋に来た。ドアを開けてくれたのは手塚君で、すぐに駆け寄ってきてくれた菊丸君を軽く受け止めつつ、彼に促されるがままそっと中にお邪魔する。

入るなり皆は笑顔で出迎えてくれた。ほぼ強制的にリョーマと周助の間に座らせられたのには苦笑したけれど、とりあえず皆の目線が私に集中しているのでおずおずと口を開く。



「まだ他校も回らなきゃいけないからそんなに長くはいれないんだけど。本当に、この1週間で色んな事を皆に教えてもらいました。青学の皆はいつでも優しくフレンドリーに接してくれて、凄く心が軽くなりました。短い間だったけどありがとう、また暇な時はいつでも連絡下さい」



最後に深く頭を下げれば、周助からポンポン、と頭を撫でられる。



「君がいてくれて本当に良かったよ。いつでも遊びに来てね」

「カルピンも、後泉さんならうちの家族も全員歓迎してくれると思うから」



この2人には何かと悩まされたものの、単純と自負している分こんな事を言われれば一気に嬉しくなってしまう。



「あまり話す事はなかったけど、テーピングとかしてくれてありがとうね!」

「こちらこそ、バーニング状態の時の怪我には充分気をつけてね」

「色々任せきりにしてごめんね。でも本当に有能なマネージャーさんだったよ!」

「照れるなぁ」



河村君と大石君は度が過ぎるくらいに良い人だったなぁ。私も2人を見習わなきゃ、と何度思った事か。



「朝倉ちゃんの笑顔はほんと癒されたにゃー。またご飯作ってねー!」

「ストテニとかで遊びましょうねー!」

「お世話になったッス、本当に」

「良いデータも勿論沢山とれたが、それ以上に充実してたよ。また機会があれば。」

「料理はいつでも作るよ、こちらこそありがとう」



菊丸君はそう言うけど、私からすると癒し効果は彼の方が断然あると思う。人懐っこくて、男の子にこういうのもなんだけど、弟のようで本当に可愛かった。桃君は兎に角面白くて話してて飽きなかったし、海堂君も話してみると意外と素直でもっと話したいと思った。乾君は本当に物知り!他にも豆知識色々教えてほしかったなぁ。



「3年のマネージャーは1人だったが、よくあそこまで仕事をしてくれた。俺達も支えられた部分が沢山あった。礼を言う、ありがとう」

「ううん、楽しかったから」



手塚君に言われる言葉の重みは半端なく、思わずむず痒い気持ちになる。まるで華族のような暖かみを持っているこの人達の輪に入れて貰えて、こっちまで優しい気持ちになれた。

青学の皆、ありがとう。
 4/8 

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