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「まま、まって法正先生、駄目です!」
「何が」
「保健室は駄目です、生徒がいつ来るか…」

保健室のベッドの寝心地はあまりよくない。
そのベッドに転がされた徐庶がそう抗議すると、腹に乗った法正は眼鏡を外し、弦を軽く噛む。
見下すような目線は、発情を帯びているように見えた。
徐庶は体を起こそうとするが、法正はそれを手のひらで制す。
胸に置かれた手は、まるで鉛のように重い気がした。

「鍵は掛けたぞ」
「…うう、駄目ですって、こ、腰を動かさないで下さい!」
「ん…、徐庶せんせ…おれ、もう我慢出来ないんですよ、ねえ、」
「だだだ、だめです!だめ、あ、だめだって、こんなところで、ああっ…!」



「あれー?いないのか?姜維、先生いないみたいだぜ」
「そうか。折角調理実習で作ったのに…仕方ないな」
「なー。じゃあこのブラウニー、二人で食っちまおうぜ」

がらっ。

「うお、法正先生いたの!?ってよだれ!よだれすごいな!?」
「…ブラウニー、くれ」
「え、まあ法正先生の分もありますけど…。…ん?何かベッドにいますね」
「まんじゅうみたいだけど…あれ誰?」
「徐庶先生は腹が痛いようだから俺が責任持って食っておいてやる、ありがとう!」
「…法正先生って、やたら笑顔が怖いですね…」
「ほっとけ。さあ、教室に戻った戻った。徐庶先生の介抱に忙しいんだ、俺は」
「はぁい。んじゃ、徐庶先生お大事に!姜維行こうぜ」
「ああ。…法正先生も、無理させては駄目ですよ」
「くく…肝に銘じておくさ」



「…………俺より菓子のがよかったのかい……その気にさせといて…ひどい……ぐすっ…」
「んー、あいつら中々うまくできたじゃないか。また作ってもらわんと。ん、何か言ったか元直」
「なんでもないよっ!!」



甘いものに目がない法正先生と振り回されっぱなしの徐庶先生
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