▼ Add


飲み過ぎた。
昨夜は配達の帰りにシャンパン三本とオードブルを買って、法正と二人で話をしながらそれを食べて、飲みまくった。
でろでろに酔って泣きながら笑い散らかす徐庶に、虚ろな目をした法正はすり寄り、徐庶の眼鏡を外してこたつに置いた。


頭の奥で響く頭痛に、そこまではなんとか思い出せた。

「…法正、さん……」

しかしそれからの事は。
徐庶は隣で眠る法正を見て背筋が凍った。
そのままこたつで、互いに全裸で。

「法正さ、っぶえっくし!!」
「……うるさい……なんだ…」
「は、鼻が…。ってうわあああ法正さん!それ!」
「あぁ?…すごいな」
「そ、それ、俺が…?」
「お前以外に付ける奴がいるか。…こたつはさすがに冷えるな」

起き上がった法正の胸には、見ているこちらが恥ずかしくなる程大量の鬱血があった。
頭を掻いて欠伸をし、法正は戸惑う徐庶をうっそりと見るとまだ眠いのか徐庶に向かって体を預けた。

「お前、やるな」
「え…や、やるって」
「これでも褒めてるんだ。よく最後までできたな」

ぶちゅ、と頬にキスをしてくる法正は、本当にあの態度も口も悪い法正なのだろうか。
それ以前に、本当に最後まで出来たのだろうか。
猫のようにすり寄って暖を取ろうとする法正が可愛らしい。
徐庶は場の流れに任せて法正を抱き締めると、柔らかい髪を撫でた。

「ほ、法正さん…あの、か、かわいい…ですね」
「俺は元々くっつきたがりなんだ」
「え、そうなんですか…その割には普段…」

客に対して皮肉非難は当たり前、機嫌が悪いと物や徐庶に当たり、人とは一線を引いているような。
端正な顔ではあるが端から見れば充分近寄りがたい。
と徐庶は思うのだが。

「なんだ」
「いや、何でも…」
「ふん…悪党の癖にこんな性格で呆れているんだろう、どうせ」
「そんな事ないですよ。法正さん、可愛いです」
「……」

上目遣いで見られると、元々悪い目つきのせいでまるで睨まれているようだ。
だが、本人からすると睨んでいるつもりはないのだろう。
そういえば、昨夜の最中もこういう目で見られていたように思う。
頭痛によって飛んでいた記憶がじわじわと再構築され、徐庶は自然とにやけてしまう。

「俺にそんなふざけた事を言う奴はお前ぐらいだ、元直」

そう言って法正は徐庶の体に顔を埋め、隠れていない耳を赤くする。
恐らくは、気を許した相手にしかこういう姿を見せないのだろう。
たまらなくなって徐庶が法正を抱く腕に力を込めると、痛いだろ馬鹿、と頬を抓られた。


あまあま好きですいません
こたつで就寝は風邪の元!
Browser-back please.
第4回BLove小説・漫画コンテスト応募作品募集中!
テーマ「推しとの恋」
- ナノ -