▼ Add



「あったけー」
「そうですか」
「杉江あったかいぞ」
「はあ」
「すーぎー、ちゃんと聞けよ」
「聞いてますよ」
「じゃあはい、ぎゅーして」
「はいはい」

杉江はとても暖かい。
まるで湯たんぽのようにほかほかしていて、達海はよくハグをねだった。
そういう関係になってから、気まぐれにハグしてキスしていちゃいちゃして。
年下だが、達海にとっては出来た恋人だ、と考えている。
杉江は黒田や世良と比べるとあまり喋るほうではないが、思った事はしっかり考えて発言する。
サッカーでもプライベートでも一見冷めたような印象だが、中には確かに熱い部分を秘めている。
達海が杉江という男と付き合って受けた印象だ。
何故付き合い始めたか、というと達海が冗談混じりで好き、と言ったらじゃあ付き合って下さい、と言われ。
そのままあれよあれよとちゃっかり体の関係まで繋げてしまい、今も達海はこうして杉江の家に度々上がり込んでいる。
イングランドでもまあそれなりに関係を持った女はいたが、男は杉江が初めてだった。
返答からして杉江はてっきり男が好きな類なのかと思えば、杉江も男は達海が初めてだという。
なんともうまく出来すぎた話である。
なぜベクトルが杉江に向いたのか、なぜ杉江はそれに応えたのか。
正直、今更そんな事はどうでもよかった。
隣に居て心地良い。
その事実があれば。

「杉江」
「はい」
「あったかいー」
「はいはい」
「離れたくないー」
「じゃあ、しっかり捕まえときます」
「そうして。にひっ」



Browser-back please.
【アマギフ3万円】
BLコンテスト作品募集中!
- ナノ -