甘えてもいいんですか | ナノ




があああん

私の頭の上にはきっとそんな効果音が描かれているに違いない。

きっかけは今のシャチの一言。

「ほんっとお前ら親子みたいだよな」


食事中にケチャップで汚れた私の口をキレイなハンカチで拭いてくれたペンギン
甲斐甲斐しく私の世話をする、その様子が親子のようだと


「親子…!」


つまりあれか、手のかかる子(私)の面倒をみるペンギン(母)みたいな図か。


「そんなばかな!」


確かに事実付き合ったりはしてないけど、公認カップル的な関係じゃないのかなーぐへへっと思っていた私は間違っていたのか!


「牛乳持ってきた」

「…」

そんな私の目まぐるしい思考とは裏腹に、いつもの調子でミルクを運んでくるペンギン

これは恋人への優しい対応じゃなくて、子供扱いされてるってことなの?



「お前は体力無いんだから肉を食え」

「…」

「マヨネーズ使うか?」

「……」

「取り皿が必要なら、」

「待った!ごめんペンギン待った!」



食事中もべったりと私の世話をするペンギン
確かに、あなたは私のお母さんですかと思えてくる。悲しい。

思わずエプロン姿で片手にしゃもじなペンギンを想像してしまう


「(あっやばい割烹着似合いそう)」

「…なんだ」

「(はっ)そっ、そうだ、ペンギン!」

「どうした」

「あんまり、私のお世話はやめて頂きたい!」



私はペンギンが好きだし、親子に見られるなんて心外だ。
つまりこれからはペンギンに手助けされないように生活すればいいんだよね!



「…世話をするな?」

「うん、自分のことは自分でする!」

「出来るのか?」

「わっ私だって大人だもん」



そう、今までは優しいペンギンに甘えてるところはあった。
しかし!私はペンギンに釣り合う大人な女性を目指すのです!



「全部ひとりで出来るとは思えない」

「そんなことない!」

「朝、寝癖直すのもおれで、飯用意するのもおれで、掃除の時は雑巾絞るのもおれで、」

「うっ」

「(えっなにペンギンってそこまでしてたのかよベポ)」

「(えー知らなかったのシャチ)」

「昼寝でハンモック用意するのもおれで、おやつ出すのも髪乾かすのもおれだし」

「ううぅっ」

「全部できるのか?ひとりで」



こう改めて聞くと…
私の生活ってペンギンに頼りきっている
甘えてばっかりだ



「でもっ、でも!」

「……」


「でも、頑張る…頑張って、全部やる、」

「そうか」

「!」



頑張るとか言ったけど、つまり私の生活からペンギン要素が少なくなるってことで

「(それは寂しい!いやだ!)」

けどやっぱり甘えて親子に見られちゃうのも、

「(やだー!)」

どっちも嫌だし、悲しいし、でも頑張んなくちゃいけなくて、
あっなんか涙出てきた

そんなぐちゃぐちゃな気持ちでいるのに、ペンギンは普段通りに話しかけてくる


「泣くな」

「泣いてない、私がんばるからっ」

「気にするな、別に子供扱いしてない」

「それでも、やだ」

「おれがやりたくて勝手にやってるんだ」

「……」


黙った私に向かって、ペンギンは珍しく笑っている



「お前の面倒は、ずっとおれが見るから」




おはようからおやすみまで








(なんかあれってプロポーズじゃないのかbyシャチ)








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面倒見がいいってこんな感じですか、ね!
主人公に甘えてほしいというか頼ってほしいというか、そんなペンギンです
想像と違っていたらごめんなさい…!

えいちさんリクエストありがとうございました!



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