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今日の一秒目からは何もかもが新しい
乗組員のみんなはニコニコとお酒を煽っている人ばかりで
通りすぎる見知った顔もどこか浮かれた様子である



本日は1月1日、新しい年の幕開けである




そんな中、私はある人物に会おうと歩いているわけですが


「隊長がいないぞこのやろー…!」


本日は1月1日、新しい年の幕開けと同時に大好きな大好きなエース隊長の誕生日です。
本当は前日から宴が開かれていて、新年になった瞬間におめでとうを言うはずだったのに眠気MAXだった私は途中から意識が無くなっていた。そして気付いたら自室のベッドでぐーすか寝てた。不覚!
さっきから聞いた話によると、宴で寝てしまった私はエース隊長に運んでもらったらしい。
ああもうなんで意識がなかったの私!隊長のお姫さまだっこなんて(憶測)そう経験できるものじゃないのに!そんでますます惚れちゃうってのばか!




それからすぐに隊長を探し歩いているわけだけど、どこにも隊長は見当たらない


「あーもう!隊長!どこ!」


まず食堂に行って、隊長の部屋、甲板、親父のところ、見張台、医務室、お風呂やトイレだって確認した(覗きじゃありません)
しかし隊長は見つからずにいる





しばらくバタバタ歩いているうちに、ふと気付いた
私ってばプレゼント用意してないぞ!なんて間抜け!
うわあこのまま隊長に会うのは無理だ…!


「どうしよ、どうしよ!」


とりあえず一度部屋に戻ろうと来た道をまた走る
部屋に何かプレゼントになるようなものがあるかもしれない




「(こうなると隊長に会わなくて良かった…!)」







そう思いながら見えてきた自分の部屋に入ると、



「…ん?あぁ、よお」




どんなに探しても見つからなかった隊長がいらっしゃった。
私のベッドに座って、いつもの帽子は見当たらない


「…なっ」

「な?」

「ななななんで隊長いるの」

「昨日運んだっきり起きて来なかったから」

「あ、そうだ隊長運んでくれてありがとう」

「いえいえどういたしまして」



にかっと笑う隊長。あーかっこいい、じゃなくて!
そうだよ誕生日だよ、隊長の!



「そうだ隊長、おめでとう!」

「おー、明けましておめでとう!」


…私の言葉は新年の挨拶になってしまったようだ



「ちがっ隊長、違う」

「えっ新年だぞ、めでたいだろ」

「めでたいですが私が言いたいのはそっちじゃなくてですね」


隊長の目の前に立って背筋を伸ばす



「隊長、今日から新年です。1月1日」

「うん」

「お誕生日おめでとうございます!」

「プレゼントは?」

「え?」

「誕生日といえばプレゼントだろー」




こんな展開になるとは…
隊長のことだから、なかったらなかったでいいや、とか言うのかと思いきや「なんかくれよー」と駄々をこねている
どうしよ!



「な、無いです…」



……とは言えない!
うう、どうにかせねば!どうにか…!
やっぱり食べ物?でもそれならコックに頼めばいくらでも出るし、この前買った本…は微妙だし、肩たたき券……いやいやないないない、

ぐるぐる考えてとっさに口にしたのは




「わっ私がプレゼント!」




っておおおおおおいばか!
ねーよそれはねーよ肩たたき券のがまだマシだわ!



「すみません隊長今の無しで、肩たたき券作るから待って」

「え、無しなの?」

「えっ」

「おれ、お前がプレゼントなら嬉しい」

「……!?」






私をあげます!


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