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現在夕食の唐揚げを取った取らないでエース隊長と格闘中です。




「なんで私の唐揚げ食べたの隊長!最後の一個だったのに!」

「だってもう食べないかと思ったんだよ!サラダばっか食ってるし!」

「だから残しといたんだってば、最後に食べようと思ってたの!ひどいよ隊長!」

「さっさと食わないのが悪ィ」






私が大事に大事に残しておいた唐揚げちゃんを「食わねーの?」と聞きながら、自分の口にひょいっぱくりと入れてしまった隊長。質問の意味ないし!
エース隊長はおれは悪くない、と言ってふんぞり反っている。なんだこいつ反省無しか!





「しかし食い意地張ってんな、だから太るんじゃねーの?」




そう言って隊長はニタニタ笑ってる。
お、乙女になんてことを…!
ていうか食い意地についてこの人にどうこう言われたくない!



「ううっひどい…!エース隊長に言われるなんて!私泣くからね隊長!」

「ああ泣け泣け」





くっそ涙は女の子最大の武器だぞ!
私のこと可愛がってくれてるサッチさんとかに怒られるがいいよ!げんこつされろ!
私がよし、泣いてやると意気込んで目に水分を貯め始めた時






「なにやってんだよいお前ら…」





マルコさんがやってきました。うわああんマルコさーん!





「マルコさん、隊長がひどい、苛める!」

「ああ、うるさいかったから大体見てたよい」





災難だったな、とマルコさんは頭を撫でてくれる(お父さんみたいだ)。そして皿を私に差出してきた。





「これ余ったやつだが、やるよ。食うだろい?」





皿には唐揚げがみっつ乗っている。唐揚げ…!





「でも、これマルコさんのでしょ?申し訳ないです」

「ガキが遠慮すんじゃねえよい。おれはもう腹一杯だからな」


大人しく貰っとけ、と私の前に皿を置いて行ってしまった。
さすが大人だマルコさん!
振り向かずに片手を上げて去ってくその背中が渋い!かっこいい!惚れる!
その厚意に甘えさせて頂きます!





「マルコさん、優しいから好き!エース隊長とは大違いですね全く!」





ありがたく唐揚げをもしゃもしゃ頂いていたら、難しい顔したエース隊長が隣に座った。せっかく貰った唐揚げは渡しませんよ!隊長からサッと皿を離すと、代わりに別の皿が寄せられた。




「やるよ」

「…なんですかこれ」

「見てわかるだろ」





目の前に置かれた皿の上には大きなケーキがあった。





「隊長が人に食べ物をわけるなんて…!なにを企んでるんですか!はっ、槍でも降るのでは…」

「怒るぞ!…さっき肉取っちまったからな、やる」

「え?隊長反省したの?」





意外な顔をするとフン、とそっぽを向く。
わかりにくいけど一応謝ってくれてるようだし、ずっと怒ってるのは申し訳ない。




「許してあげるよ隊長。ケーキありがと!」




すると隊長は下をむいて、
悪かったよ
と、呟やきました



(しっかり聞こえたよ隊長!)








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マルコ隊長の餌付けが気に入らないエース


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