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私は今ひっじょーに傷付いています。無口でクールでたまに見せる笑顔が大好きだったペンギンに告白して玉砕しました。しくしく。そして今、暗く狭く暖かく居心地のとてもよろしい布団の中で丸まって反省中。



「今ほど船長にバラされたいと思ったことはない」


というかバラされたい願望とか普通は抱かないだろう。


「もう私なんて細切れになればいいみじん切りでもいい」

「なにそれぐろっ」

「私の願望は私の勝手です」

「だからってその表現は…豚肉玉ねぎかよ」


豚肉に玉ねぎか、そうだな今日はカレーが食べたいなあ。
ん、あれ私ってば今誰と話したの。



「…なにしてんのシャチ」

「んー慰めにきた」


いつの間にか床に座っていたシャチは私を慰めに来てくれたらしい。そしてなぜかばりぼりと煎餅を食っている。さっきカレーのことを考えたらお腹がすいてきた。一枚ください。


「食う?はいどうぞ」

「ありがとう」


ばりぼりばりぼり
ばりぼりばりぼり


「お茶ない?」

「持ってきてねーよ」

「じゃあ、あっちの棚に道具あるから淹れてきて」

「えー」


面倒くせーとか言いつつも立ち上がって用意をしてくれるらしい。慰めにきただけあって今日はなんだか優しい。いつもならお互いに押し付け合ってじゃんけんしてる。


「どーぞー」

「ありがとー」


緑茶なのにマグカップかよ。
ずず、と中身をすすって一息つく。


「うまい」

「シャチさんよ、慰めてくれるのならば愚痴を聞いてはくれませんか」

「おーどんとこい」





***




「だからさあペンギンって優しいじゃん!」

「そうだなー(あいつ八方美人だからなー)」

「ひっく、だから私なんかにも優しくてさあ、かっこいいし、その上優しい!」

「同じこと二回言ってる」


いつの間にかお茶は酒に、煎餅はつまみになっていた。すでに床には何本か空瓶が転がっている。あー、この酒高かったけど開けちゃえ!


「よしシャチこれ飲め(ぶんっ)」

「おまっあぶねっビン投げんな!(ぱしっ)」

「おー流石!ナイキャー!」


ははは、と笑っていると目から水が出た。


「…え、泣いた」

「は?違います泣いてませんこれは鼻水です」


とか言ったけど、そうだ。私って泣き上戸だったっけ。忘れてた。



「やっぱ泣いてる」

「だから鼻水だっての!」

「いーじゃん、悲しいなら泣けって。ストレス解消になるらしいぞ、ほれ」



がしがし、と髪の毛をぐちゃぐちゃにされるように撫でられる。シャチの分かりにくい優しさでも、今の私にはとても強く作用するようだ。ぼたり、と涙が出てくる。



「……シャチ、私ほんとは泣いてるんだ。…ずびっ」

「おう、ティッシュ使え。好きなだけ泣けって」

「…シャチが良い男に見えるっやばい、」

「それどういう意味」

「ううう、っ」

「……」

「私っ、ひく、っふ…ふられちゃった、よぉ」

「そうだなあ、ペンギンは見る目なかったんだ、気にすんなって」

「う、うっうああああんシャチいいやつ!」

「……」

「うああっう、ひく、ふ」

「…お前のこと、好きなやつって他にもいると思うし、」

「ひっく、うん、うん、っありが、と、シャチ」

「だっだからっ、」

「ひっ、う、うぅ」

「おっおおおお、お、おれに、しとけよ」

「っぐす、…?え」







(もう君にときめいちゃってる私はどーしたらいいのでしょう)









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弱ったとこで攻めるシャチ


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