伏黒
伏黒と付き合っています
「いったー…」
一年生皆で任務をしたある日、呪霊はそんなに強くはないが数が多かったので虎杖君と野薔薇ちゃん、私と伏黒君に別れて行動していた。呪霊は倒したがそこで私はヘマをしてしまい足を挫いてしまった。
「大丈夫か?」
「呪いの攻撃じゃないからそっちは問題なけど足痛いよー」
「なら歩けるな」
「今足痛いって言ったよねー?」
確かに私のミスでの行動だけど彼氏なんだからもっとこう労りが欲しい。
「そっちは終わったかー?」
虎杖君達も終わったようで此方へ向かって来た。
「如月どうしたんだ?」
「こっちも終わったけど転んで足挫いちゃって」
「ったく、ドジねー」
しかし、これで任務は終わったので後は伊地知さんが待っている所まで行き、学校で硝子さんに治してもらおう。が、やはりここで問題が。足が痛くて思うように歩けない。
おんぶをして欲しいけど伏黒君人前だから嫌って言いそうだし、虎杖君に頼んでも伏黒君の目があって気まずいし野薔薇ちゃんにおんぶしてもらうには悪いし
伏黒君に式神出して貰おうか。出すとしたら蝦蟇かな?あれ結構口に入れられるから恥ずかしんだよね。ぬるぬるもするし
「なんだ如月歩けないのか?」
私の異変を感じ虎杖君が尋ねる。
「そうなんだよねー」
私がそう言うと虎杖君はかがみ
「ほら、乗れよ」
まさかの虎杖君からの誘い。おんぶして欲しいのは願ったり叶ったりなのだが伏黒君の手前だし、しかし足は痛いのは事実だし断るのも悪いし…。うん、お言葉に甘えよう。
足を引きづりながら虎杖君に近づこうとすると
「俺がやる」
まさかまさかの伏黒君もおんぶする宣言をした。
「こいつがこうなったのも一緒にいた俺の責任でもある。虎杖達は伊地知さんの所へ行って報告してくれ」
「おうわかった。釘崎行くぞ」
伏黒君の言葉に虎杖君は素直に従って走る。一方野薔薇ちゃんは心配そうな顔で
「琴葉、伏黒ムッツリだから変な想像するかもしれないわよ。嫌悪感を感じたら大声上げなさい」
「人を変質者扱いすんじゃねェ。オマエもさっさと行け」
野薔薇ちゃんも先に行ってしまい残ったのは私達だけ。これはおんぶと言って式神パターンでなないかと伏黒君をみると屈み「乗れ」の一言を私に放つ。
「…おじゃましまーす」
意を決して伏黒君の背中に乗りおんぶをしてもらった。
「ねえねえ伏黒君、さっきは歩けって言ったのにどうしておんぶしてくれたの?」
「さっき虎杖に言っただろ」
「さっきは無慈悲に歩けって言ったのにー。もしかして私が虎杖君と近距離でくっつくことにジェラシー?ジェラシーなの?」
「それ以上言ったら手離すからな」
「はーい」
嫉妬だったら普段そんな素振りを見せてくれないから嬉しい。それに普段はこうやって伏黒君にくっつくなんて寮の部屋でしか、それも虎杖君と野薔薇ちゃんに気を付けながらだからそれも嬉しい。
嬉しさからギュッと伏黒君に抱きつく力を少しだけ強くすると伏黒君は一瞬歩くのを止めた。
「おい」
「落ちないようにしただけだよー」
「ったく…」
伏黒君にはそう伝えると悪態をつきながらも私を落とさないように手に力を入れ直す。結局は伏黒君って優しいんだよね。
おんぶをして貰っていると密着しているから伏黒君をより感じるられる。あ、伏黒君の首筋に黒子がある。普段は見れない伏黒君の身体が見れ嬉しさも更に上がり、ちょっとイタズラをしたくなってしまったり。伏黒君の首筋に唇を落とす。すると伏黒君の反射的に身体はビックっと震える。
「おいっ!如月!」
「ねえねえ、此処に黒子があるって伏黒君知ってた?」
「そんなとこ見えねェから知らねーよ」
「じゃあ私だけが知ってるのかな?ラッキー!」
喜んでいると伏黒君の耳が赤くなっていることに気づく。
伏黒はムッツリだから。野薔薇ちゃんの言葉を思いだす。そうだね野薔薇ちゃん、伏黒君ってムッツリさんだよね。でも
「耳赤くなってるよ?恵君可愛い」
そういう所も可愛いんだよね。
耳に顔を寄せ普段は部屋でしか言わない名前を呼ぶと私の足を掴む手に更に力が入った。ちょ、痛い痛いぞ。そんなこ事をしていると伊地知さんと虎杖君達の姿が見えてきた。この時間も終わってしまうのだと寂しがっていると
「治療終わったら俺の部屋に来いよ」
「それってもしかしてー?伏黒君えっちー」
ふざけて言うと今まで前を向いてた伏黒君がこっちを見た。伏黒君の目が据わっており本気だと伺える。やばっ、調子乗りすぎた。
明日はまだ平日で、今度は足ではなく腰が痛くなり歩けなくなるのではないか。そん考えが頭を過ぎった。
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