試験会場へA
301の教室の前にはカカシ先生が立っていた。
そこで先生はネタばらし。
この試験は最初から三人一組でしか受験出来ないようになっていると。
先生はそこでオレ達を送り出し、オレ達は教室の中へ。
中に入れば教室を埋め尽くすほどの受験生が。
受験生のプレッシャーが、重圧が伝わってくる。やべぇ…目が据わってるよ…。前世の記憶がフラッシュバックするぜ
「サスケくんおっそ〜い!私ったら久々にサスケくんに会えると思ってワクワクしてたんだからぁ」
突如サスケに抱き着いた少女が。
この甘ったるい声に、金髪のポニーテール、大胆な服装は…
「サスケくんから離れろーッ!このいのぶた!」
サスケェ…お前ってやつは。
一体何人の女の子を何人侍らせれば気が済むんだ!!
「あぁらサクラじゃない。相変わらずのデコり具合ねブサイクー♪」
「な、なんですってぇ?!」
女の子同士の喧嘩は凄まじい。それも、好きな男を取り合うならば尚更だ。
サスケ、そんな目で見るな。助けを求めてもオレは何も出来ない。自ら戦地に赴くなんて馬鹿な真似、オレには出来ない。
それにしても…
「二人も受けるなんて意外だな」
「そうか?オレとしてはお前が受けるほうが意外だぜ」
オレが声をかけたのは、シカマルとチョウジ。いのと同じ十班だからな。ここにいるのは当然だ。この前の任務以来かな?
「オレは二人の可能性を潰したくないからね〜。渋々ついて来たってわけだってば」
またチョウジはお菓子を食べている。ポテトチップス、のり塩味。少し頂く。うむ、やっぱりコンソメの方が旨いな。
「ひゃっほぉ!見ーっけ。これはこれは皆さんお揃いで」
次にやって来たのはキバ。いつもの通り頭の上に赤丸をのせている。よっと手を上げて軽く挨拶をした。
「…成程ねぇ、今年の新人全員が受験ってワケか!さてどこまで行けますかねぇオレ達…なぁサスケくん?」
「えらく余裕だな、キバ」
お前…そのフェロモンの制御の修行も足したほうがいいのか…?どこに行っても女にも男にも声をかけられて…
イタチィ…お前の弟はいつか変態に誘拐されちまうかもしれないぞォ
「なんせオレ達は相当修行したからな。お前らにゃ負けねーぜ」
「ふん…」
サスケはキバの挑発に余裕気に笑う。
そりゃあ自分も血が滲む思いで修行をしたからな。でも驕りは許さないぞ
というかキバに気を取られていたが、こいつがここにいるっていうことは…
「ナルセくん…」
「ひ、ヒナターーっ!!」
会いたかったオレのマイエンジェル!!オレの癒し!!
また一段と可愛くなって…っ
最近疲れ気味だったオレの精神は一気に回復した!
純白の天使はオレのくすんだハートを浄化してくれる。最近は家にいる白に癒してもらっていたが、あいつの心は再不斬一直線だからな。やっぱり本家大元に限る。このほっぺ、これだよ!ふわふわもちもち。指で突けば返ってくる、弾力感。一体どこの化粧品を使ってるんだ!お兄さん…いやお姉さんに教えなさい!まったく、これも恋する乙女がなせる技というのか!?そうだ、そういえばネジさんとのエピソードの続きをきk
「ナルセ、オレには挨拶は無しか」
「やあ、シノ。元気だったか
ヒナター聞いてくれよ。オレらの班のカカシ先生がなー…」
「……」
オレ達新人達が話に花を咲かせていれば、とある男が近づいてきて注意をする。
「君達!もう少し静かにした方がいいな」
眼鏡だ、眼鏡。
「君達がアカデミー出たてホヤホヤの新人九人だろ。かわいい顔してキャッキャッと騒いで…ここは遠足じゃないんだよ」
「あんた…誰?」
ホントは知ってる。
――薬師カブト
大蛇丸の部下だ。こいつはあまり好かない。
ヒナタに抱きつきつつ警戒を緩めない。
「それより辺りを見てみなよ」
カブトの忠告通り、ルーキー達は周囲を見回す。他の受験生のギラギラ血走った目。
サクラはそれを見てうわぁと小さく呟くが、オレには目の前のこいつの方が怖い。
「あれは雨隠れの奴らだ。気が短い。皆試験前でピリピリしてる…どつかれる前に注意しておこうと思ってね」
オレには未来を知っているというチート能力を持っているからこそ解る。
――こいつは完璧すぎる
演技が、安心させようとする笑みが怖い。他の皆はカブトに対し安心しきっている。皆疑いを抱いてすらいない。
気取られないように、じりじりと距離を取る。
サスケはカブトからリーと我愛羅の情報を聞き出している。よくもまあそんな奪った書類を、自分が集めた情報だと言えるものだ。
その後、カブトは音忍に喧嘩を売られ、嘔吐をしたりした。
しんと教室が静まった中、ちらりとカブトを見れば目が合った。
その目が、笑っているのに…酷く恐怖を覚えた。
試験開始
(ナルセ、どうかした?)
((嫌な予感がする))
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