星の瞬き | ナノ


  答えのない問い


リスクを冒して成し遂げたことがたった二人の男の暗殺、なんてな。否、そのうちの一人は火影という名を背負っていたことのある者だったのだから、むしろ成功したことを喜ぶべきか。

だがしかし、もっと利用価値のある殺し方をするべきだったのでは、とも思うのだ。

それこそ大蛇丸ではないが、観客のいる状況で、この自分が倒してみせたのだと知らしめるような。あるいはやつらは逆にまだ目立ちたくはないのか。いずれにしても今後の出方を考えなければ。


そうやって策を練る中でいつも思うのだ。できる限り人を死なせたくはない。

そう思うオレはやはり甘さが抜け切れていない。死者が出るのは確定していることだというのに、ここまで来てまだ駄々をこねる。それとも前に未練やら影響されているせいなのか。

そしてその反面、他人を斬ることに躊躇いを感じない時があることも事実。

いつまでも答えが出るわけでない問いかけをしている場合ではない。ふるふると頭を振って邪念を取り払った。


「やっと見つけました」


進む先に二人、突如として現れた。迎え、だな。予想よりは早かった。だがてっきり来るのは諸悪の根元の方かと思ったのに。まさかクロイとシロイが来るとは。


「暁部隊の者が捜している。オレ達は代理だ」


へぇ…今のオレと顔を合わせると地獄を見るってわかってるらしいな。だから無所属のクロイとシロイを寄越したわけか。馬鹿ではないらしい。


「どうかご帰還を」

「無理だな。用事ができた」

「木ノ葉の里は今先代火影暗殺の犯人探しで荒れている。長期間の火の国の滞在は危険だ!」


本来であれば、こう位置付けたくはないが、故郷という場所ではあるがここは敵地。この国からは即刻撤退するべき。しかしそれをせずに往来を歩んでいるのは別の意図がある故だ。向かう先は次なる目的地。

懐に仕舞った封書に衣の上から触れた。なんと言われようとも今帰るつもりはない。

頑として首を縦に振らないオレに痺れを切らしたのか、「せめて居場所だけでも!」とシロイが声を荒げた。


「次に向かうのは、火ノ寺だ」


目的地変更
(計画は着々と進む)
(物語は少しずつ書き変えられる)


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