メモルメタモル | ナノ
78 嘘つきとキス
 なんの前触れもなく、彼は僕にキスをした。
 柔らかい感触と冷たい体温が伝わる。唇へ体温がじわりじわりと移っていく。
 ようやく離れると、唇は触れなくてもわかるほど熱を持っていた。
「好きだよ」
 僕も好きです、と言う前に、彼の口角が弧を描いた。
「まあ、嘘だけど」
「知ってます」
2014.06.25



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