クレセントムーン | ナノ

01



あるところに一人の神様がいました。
その神様は死と冥府を司る神様でした。
生まれたその瞬間から魂を回収し、管理し、転生させていく役目を負っていました。
そんなあるとき、神様は輪廻から外れて、今にも消滅しかけている魂に出会いました。
何かの気まぐれか、神様はその魂を拾い上げて助けてあげました。
日に日に回復していく魂を嬉しく思った神様は、彼に身体を与えて、自分の身の回りの手伝いをしてもらいました。
友達同然に親しく、楽しく過ごしていた日々は、ある日突然終わりを告げました。
いつものように魂の回収を頼んで、下界へ降りていったきり、彼は帰って来ませんでした。
神様は必死に彼を探しました。
しかし、魂の反応をいくら探しても、彼を見つけることはできませんでした。
悲しみに暮れた神様は心に空いた隙間を埋める為、自分の魂を削って新たな命を二つ創りました。
対なる双子の魂は一つの身体に。

今日も神様は魂を選別します。
その傍らには彼と同じ種族の、一人の死神。
また何処かで会える。そう願いながら。





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