荒北がシャワーでシャンプーを流していると、がちゃと風呂場の扉が開いた。

「荒北、山神が背中流してあげよう」
「はっ?!ちょっお前なんつー格好してんだヨ?!」

見ると、紺色のエプロンだけを着た東堂が風呂場には行ってきた。
いわゆる裸エプロンってやつだ。

「オイ!ちょっ、てめっ!何はいってきてんだヨ!」
「いや、純粋に背中を洗ってあげようと思ってね」
「別にいらねェヨ!自分で洗えるわっ!ボケナス!」
「まあまあ落ち着くのだよ。荒北、ほら向こう向いて」

荒北はいらいらしながらも、東堂に言われるまま背中を向けて座った。
東堂はスポンジを手に取り、ボディソープをつけるとくしゃくしゃと泡立てた。
そして、まっしろな泡を荒北の腕につけた。腕を一通り洗い終わると、背中にスポンジを滑らせた。
身長が大きい荒北の背中は広いが、細身なので結構骨ばっている。
昨日の夜、東堂がつけた爪の跡がいくつか残っていて、東堂は急に顔が赤くなるのを感じて手を止めた。

「ン?どうかしたか、東堂」
「いやいやなんでもない、うん、ほんとなんにもない」

慌てて手を動かし始めるが、あいにく荒北は背を向けているため気が付かれずにすんだ。しかし、自分ばかり恥ずかしいのは癪なので東堂も仕返しと言わんばかりに、手を前に伸ばした。

「おまっ!背中っつったろォ、」
「だって俺の中につっこまれてるところを綺麗にしないと、俺の中に汚い荒北菌が入ってきてしまうだろう」
「なんだヨ、荒北菌ってェ」
「むっつりスケベの変態野郎ってことなのだよ」

意地悪く東堂がそういうと、さすがに怒ったのか荒北が東堂の両手を掴んだ。
荒北は東堂のエプロンを引き剥がすと、そのまま風呂場の隅に投げた。
荒北の力にかなうはずもなく東堂はただされるがままになった。

「いたたた、荒北もう少し力弱めて」
「お礼に俺も洗ってやるから、おとなしくしてろヨ!」
「わかったから、いたいって。もうちょっと力抜いてって」

荒北は床に落ちていたスポンジをひろって、もう一度泡立てると、東堂のお腹を洗い始めた。

「そんなとこから洗うなんて、やっぱり荒北って変態だな」
「ハッ?どこがだヨ」

荒北は東堂の綺麗な肌に傷を付けないように、やさしくスポンジで洗っていく。
しかし、背中に手を回して洗っていくと、次第にまどろっこしくなりスポンジを投げ捨てて、手に泡をいっぱい乗せてなで始める。
背筋から腰へと、扇状的な手つきでさわると、東堂の体がぴくっと震えた。

「ひゃっあっ、」
「どうした?腰を洗ってるだけで感じたかヨ?」
「べ、別にそんなことないのだよ!」

抱きしめるように体をくっつけて、荒北は手を伸ばすと、東堂の白くて丸い尻を割る。
そして、きゅっと閉じた蕾にゆるゆるとふれる。
泡でぬるぬると滑らすようにその蕾をほぐしてやる。

「ゃあっ・・・!やめ、て・・・。あら、きた、」
「ここを綺麗にしないと、だめだろォ?」
「そんな、自分でできる」

急に中をうごめいていた指の動きが止まり、ずるりと引き抜かれた。まるで呼吸をするようにひくついていることがわかる。

「じゃあ、自分でするかァ?」

悪く笑う荒北と目が合うと、東堂は羞恥心のあまりかあっと顔が赤くなるのを感じた。

「・・・いじわる」
「いじめてんじゃねェ、かわいがってんだ」

そういって荒北の顔が東堂の顔に近づいてくる。涙がたまっていた目の縁にキスを落とすと、額に頬にと顔中にキスをする。
くすぐったくなって思わず顔を背けると、手で頬を包まれて唇をちゅうっと吸われた。

「かわいいぜ、尽八」
「・・・死ねば、いいのだよ」
「かわいくない口だけどナァ!」
「・・・ばかぁ」

そういうと、荒北は東堂の片膝をつかんで、腹にくっつけるようにあげた。アナルに漲ったペニスがぐりぐりとされて、そのままゆっくりと中に進入してくるのが分かる。

「・・・っん、」

さっきまで洗われていた中は泡でぬるぬる滑るようになって、いつもと違う感じがする。
すがるようにして荒北の首に腕をかけると、顔が近くなってがむしゃらにキスをした。
歯列をなぞるように粘着質なほどねっとりと口内をなめあげられると、飲み干せなかった唾液が唇の隙間からたらりとあふれるのが分かった。

「・・・っ、ふぁ、」

唇をはなすと、名残惜しむように唾液がつうっと荒北と東堂の唇をつないだ。しかし、すぐに重力に従ってぽたりと落ちた。
その様子を見ていた東堂に、荒北は見せつけるように唇をぺろりとなめた。うっすらと赤くなっている唇に目が釘付けになった。


「・・・何見てんだヨ」
「っ、べ、べつに」
「そんなぼんやりしてる暇はねェゾ!」

そういうや否や、忘れかけていた快楽がしたから衝突してきた。

「ぁああんっ!・・・ん、ぁ・・・」

声がいつも以上に風呂場に反響する。
自分の声であるはずなのに、エコーがかかってさらにいやらしい声に聞こえる。それだけでも顔が赤くなるのを感じる。

「どうしたんだヨ?」
「・・・いいっ、すご、・・・っく、きも・・・ちいぃ」

明らかに前立腺を狙って、打ち込んでくる荒北の大きくて太いものが出入りする。
そのたびに、意識が飛んでしまいそうなほどの快感が体中に走り出す。
自分では立っていることもできなくなって、荒北の肩にしがみつく。
東堂の腰をつかんでいた強くてたくましい腕が背中にまわされて、より体が密着する。
荒北の熱い胸板に押しつけられた、乳首がこすれるだけでも東堂はびくびくと反応する。打ちつけられるスピードが速まって、


「・・・んはっ、ああぁ・・・いく、も・・・う・・・」
「いいぜっ・・・いけヨ」
「・・・ぁふっ、ぁああああ!!!」

耳元で低く甘く囁かれると、緊張していたものがすべて緩んでしまった。
ぴゅうっつと粘着質な白濁が東堂のものから飛び出して荒北の腹に付着した。
その瞬間どくんという音が体の中でしたと思うと、どくどくと熱いものが中に注ぎ込まれる。収まりきらなかったものがぽたぽたと床のタイルに落ちた。



***


ざぶんと湯がバスタブから流れ落ちた。

「ふー、」

東堂は荒北に寄りかかると、大きく息を吐いた。

「重いんだヨ!体重かけんナァ!」
「荒北って、やっぱり大きいのだよ」
「無視か、オイ!」
「身長って4センチぐらいしかかわんないのに、こうやって荒北の胸に俺すっぽり入るし」
「・・・わりィかヨ」
「ううん、俺は好きだ。もちろん、荒北のことだ。こら目をそらすなばか」

東堂は顔を少し後ろに反らして、荒北の顔を見た。
荒北の顔が赤いのはお湯が熱いせいか?

「うるせェンだヨ!」

荒北は東堂の唇をがぶっと塞ぐとそのまま声を飲み干した。
愛だけが湯気にまぎれて、見えていた。

DVDでは湯気が消えます
(湯気さんのせいでいいところが見えません)


20140728/東堂は荒北にいじわるしようとしてされ返すのがいいと思う。


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