一人暮らしの巻島と遊びに来た東堂

一人暮らしにしては綺麗な巻島の部屋に東堂はやってきた。
そして、ベッドサイドにすわり、ちゅっとフレンチキスをした。
それから、窓際に置かれた巻島のベッドの上に、巻島は細い身体を押し倒した。
綺麗に整えられた純白のシーツに波ができる。
指と指を絡めて、そのぬくもりを確かめ合って、強く手を握り締めた。
頼れるのは、月明かり。
けれど、それだけでも十分だった。
余計な明かりなどいらなかった。
自分を見つめてくる海の底をすくい取ったかのような色の瞳。
今にも涙が零れ落ちそうなその瞳が自分だけを見つめている、それだけがわかれば十分だった。

「嫌なら抵抗すれば良い・・・ショ」
「・・・巻ちゃん」
「・・・いつも言ってるショ、そんなに力を入れていないショ」

ここまできて、ベッドでふたりきりで、やめろというほうがおかしい。
東堂とベッドで座ってキスをしたとき一切拒絶をしなかったし、舌を絡めたときさえ何も逆らわなかった。
巻島はいつも嫌なら嫌って言っていい、と言っているのに、東堂は決して嫌とは言わない。
ならそれが答えだと巻島は思った。
ちゅう、とはだけたシャツの間から東堂の白い胸元を吸うと、びくん、と東堂は震えた。
東堂は泣きそうな瞳で巻島を見つめてきたけれど、それでも抵抗はしなかった。

「っ」

東堂は一瞬身をすくませる。そして、少し抵抗しようとしたのか、巻島の身体を押した。
けれどその力は微々たるもので、あまく唇をなめてやれば、ふわりとその唇が開かれる。
東堂の心や身体もまた、巻島を求めているのだ。
強く身体を抱きしめれば、おそるおそるといったふうに、東堂の細い腕が巻島の背中に回された。

「東堂、」

泣くなよ、と巻島は腕の中にいる可愛いライバルの額にそっとキスを落とした。。
巻島はそんな東堂の身体を抱きなおす。服を一枚一枚脱がしていった。
東堂の真っ白な肌があらわになる。
つぷりと、東堂の中へ指を一本差し入れる。東堂は少し苦しそうに息をつめながら、ほんの少しだけ巻島のほうに身体を擦り寄らせ

た。
そんないじらしい行為に胸が熱くなる。
東堂は本当はとても甘ったれなのだ。
巻島のことが好きで好きで仕方がなくて、巻島に甘えたくて仕方がないのだ。
甘やかされたくて仕方がないのだ。

「んっ、あ・・・まきちゃ、ん」
「そうじゃないショ、こういうときは名前で呼べ・・・ショ」
「やぁ、でも・・・」
「でも、じゃないショ。それとも東堂、もしかして俺にお仕置きされたくてわざとそう呼んでる・・・ショ?」
「や、ち、ちが・・・ひゃっ!」

東堂の中に、もう一本巻島の指がもぐりこむ。
根元まで指を押し込んで、少し硬くなっているところをやさしくなぞると、東堂はびくびくと身体を震わせた。
相変わらず東堂の身体はとても感度が良い。
胸の小さくとがった粒を舐めてやると、東堂はきゅうっと巻島の指を飲み込んでいる場所を締め付けてきて。
そして、小さい声でゆうすけ、と呼ぶ。
たまらないなあ、と思う。
東堂の潤んだ瞳が、巻島を見つめていた。甘い吐息を漏らし、薄く開かれていた唇が動く。
声に出さずに切なげに名前を呼ばれて、巻島はもう限界だった。

「・・・いれるショ」
「っあ、ああぁ・・・っ!」

指二本で、わずか短時間しか馴らされていなかった東堂の身体は、それでもあっけなく巻島を受け入れた。
何度も身体を重ねて、東堂は巻島の受け入れ方をもうとっくの昔に覚えている。
そして東堂は、痛みよりも快楽よりも何よりも、巻島を中に感じることがうれしくてたまらないのだ。

「ぁん、ああっ、ゃあん、あああっ・・・!」
「っは、尽八、かわいい・・・・」
「や、やらぁ、んあぁっ、ああ、ひゃぁあんっ」

激しい動きでぎしぎしと音を立てるベッドの上で、東堂は嬌声をどうにもできずに上げて、ただ巻島のなすがままになった。
思考回路は冷静に感じやすい東堂の身体に悪態を付くが、残念ながら東堂の口からはあぁんだのだめぇだの録音されたら舌噛み切っ

て死んでしまいたくなるような声しか出てこなかった。
きゅうん、とそれで巻島のものを締め付けてしまった東堂は、盛大に自爆してそのまま自分の欲望を解放した。

「や、あぁう、あああぁあ・・・!!」
「っ・・・・は!」

ぱしゃぱしゃ、と随分透明になったそれが俺の腹を汚す。
なんども達した東堂のペニスは萎えきってもう絶対勃たない、と思った。
俺が達したと同時に、巻島も東堂の中に熱を注ぎ込んできて。
ああ、熱い。
東堂とは違ってまだ二回しかイってない巻島はまだ濃く粘ついた白濁をたっぷりと東堂の中に吐き出した。
ああ、ああ。言葉にならない声が止まらない。
ひくひく、と震える巻島を根元まで銜え込んだアナルが、ゆっくりと巻島のものを締め付けていく。

「・・・なあ、尽八。明日学校行けなくても良いか?」
「もう絶対行けないのだよ」

これ以上するのなんて絶対無理なのに、どうしてこんな風に誘うようなことばっかりするんだ。
思った通り、巻島はまだ足りないっショ?とえろいことこの上ない顔で囁いてきて。
それでなんで東堂はここで、巻ちゃんの馬鹿なんて悪態を言えないのだろう。
とろけきった顔でこれ以上されたら死んじゃう、とほざいた自分を殺したい。
そもそも、巻ちゃんがカッコよすぎるのが悪いんだ。と、東堂は思う。
巻ちゃんがカッコよすぎるから、そんでセックスが上手すぎて、それでえろすぎるから、いけないんだ。
だから東堂は抵抗も何も出来ないままこうやって巻島にぐちゃぐちゃにされて、責任取れ、ばか。
巻島は笑って、東堂の身体を抱きしめる。

そうして二人で共に、白んでいく空を仰ぐ。



大好きだから
(巻ちゃんがいないと眠れないの)


20140722/巻ちゃんが一人暮らしだったら。巻ちゃんのえろさに惹かれすぎる東堂がかわいい。


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