俺は神が与えし現代に舞い降りたプリンス、東堂尽八。
職業、アイドル。
歌とかダンスとかCMとかドラマとかもやったりする。
つまり俺は、大人気の売れっ子アイドル様様である。

そんな俺はたった今、恋に落ちた。

それは、新しくなったマネージャー、巻島祐介である。
少し奇抜な玉虫色の頭をしているが、それでもテレビに出てもおかしくないくらい、整った凛々しい顔立ちで、俺に礼をして、「は

じめましてショ・・・」と言った。
マネージャーの癖にこんなにカッコいいなんて、反則だ!もう!と頭の中ではそう思いつつも、「こちらこそはじめましてなのだよ

」と時価百万円はくだらないの満面の笑みで挨拶した。

「今日からお前は巻ちゃんなのだ!」
「ま、巻ちゃんって、俺のことショ・・・?」
「俺のマネージャーなのだから巻ちゃんしっかりしておくれよ。そうだ巻ちゃん、連絡先を教えてくれ」
「そうだった、悪い。忘れてたショ・・・」

そして、巻ちゃんは俺に四角いカードをくれた。
弱虫プロダクションと書かれたしたにマネージャー巻島祐介と書かれていた。
裏に返すと、そこには手書きの文字でよく見かける090で始まる11桁と@マークの付いた文が書かれていた。
俺は、嬉しさのあまり抱きついてしまうのを必死で抑えて、笑顔でもう一度「ありがとう巻ちゃん」と言った。

そんな巻ちゃんとの出会いだった。

「巻ちゃん、次はなんなのだよ」
「東堂さん、あと20分後次のテレビ局にいくっショ・・・」
「あー、巻ちゃん、俺のことは、」
「俺のことは?何っショ?」
「同い年なのだから、俺のことを呼び捨てでいいのだよ」
「じゃあ、東堂」

キュンときた。思わずキュンときてしまった。

「巻ちゃん、」
「なにっショ?」
「巻ちゃんってずっと俺と一緒にいるけれど、彼女とかいないのか?」
「今はいねぇショ、」
「……そうなのか、」

そうなのか。今はいないのか。もしかしてチャンスじゃないか、これって。
一世一代の告白をするべきじゃないか!

「なにっショ、そんなこと聞いて。もしかして、お前好きなやつでもできた・・・ショ?」
「うむ、そんなかんじなようなそうでもないような、」
「あいまいショ」
「巻ちゃんって、」
「どうしたんショ?」
「いや、何でもない」

彼女がいないと聴いた瞬間嬉しさがこみ上げてきた。
俺が巻ちゃん彼氏になりたい。
そう思ったけれども、超売れっ子アイドルの俺には、恋の仕方がわからなかった。

単純に好きって言えたらいいのに。
言えないこの距離がもどかしい。

俺はアイドルで、彼はマネージャー。

それ以上以下でもない。
俺にはなにも出来なかった。
恋の仕方がわからない
(だって初恋なんだもん)


20140718/マネージャー巻島×アイドル東堂。初恋で右も左もわからない東堂に萌える。


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