突然降ってきた雨から逃げるように、手嶋と青八木は手島の家に来た。
手嶋は青八木にシャワーを浴びるように言った。
手嶋は着替えて2階から階段を下りて、濡れたTシャツとジーンズを脱衣所に持っていった。青八木はまだシャワーを浴びているようで、浴室からシャワーの音が聞こえる。

「青八木、ここに着替えおいとくから」
「…分かった」

手嶋は脱衣所の扉を後ろ手で閉めて、深く息を吐いた。吐息がいつも以上に二酸化炭素の多い地球に優しくないもののようだ。
ヤベエ、やっちまった…というどうしようもない後悔が押し寄せてきた。ちょっとした出来心というか、遊び心というか、いや、あれはもう何かアレなかんじがする。だが、青八木が着るとまた別のものになるかもしれない。手嶋は埃っぽいベッドに深く腰掛けて、また深くため息をついた。埃ですす汚れた電灯が嫌に光って見える。

「純太、ため息つくと…幸せが逃げる」

手嶋の背後から声が聞こえた。手嶋は恐る恐る振り向いた。青八木の姿を見た瞬間にすばらしい着こなしに感動した。そして、その1秒後にものすごいことをしてしまったという苦悩に襲われた。手嶋の想像以上のものをなめまわすように見た。アウトでもセーフでもなくストライクだった。
青八木の服装というのは、清楚なメイド服であった。メイド服といっても、コルセットもフリルも入っていない黒いワンピースと白いエプロンの付いたものであるが、何を着ても青八木の美貌が驚異的な破壊力を持つものにする。白と黒のシンプルなデザインなのに、金色の髪の毛の美しさを引き立てるすばらしいものになっているし、胸元の小さな赤いリボンはまるで宝石のように輝いているし、ひざまであるスカートからのぞくさりげないフリルがなんともいえない。靴下はサイズが合うものがなかったので、青八木の白い足が惜しげもなく出されている。
手嶋は青八木の腕を引いて、ベッドに押し倒した。そして、ほんのり桜色づいた唇にキスをした。

「可愛い、青八木」
「……ん…」

ああ、ほんとうに、かわいい。手嶋は青八木の顔中に軽いバードキスを落としながら、抱きしめた。唇をやわらかく噛んだら、ん、と鼻を鳴らした。そして、そのまま角度を変えて深く味わった。頭の後ろに手を入れて、何度も何度もキスをする。鼻で呼吸をするたびに、青八木の髪の毛から甘くいいにおいがする。多分、風呂場に残っていたシャンプーを使ったのだろうが、手嶋が使ってもこんなにいいにおいはしない。

「なあ、青八木」
「…な、何?」
「俺の幸せは逃げてんじゃねぇんだぜ。溢れてんだ」

青八木の耳元で低い声が響いた。青八木は顔をそむけたが、髪の毛の間から見える耳が真っ赤だった。手嶋は青八木のかわいらしさに頭がくらくらした。

「…純太…」

手嶋は青八木の頬に手を当てて、また音を立てて青八木の唇にキスをした。開いた口の隙間から舌を入れて、吸い上げる。手嶋は思う存分青八木の唇を嘗め回す。上あごを丹念に嘗め回している間も、胸においた手をゆっくり動かす。下着を用意できなかったため、薄いメイド服の下にはやわらかい感触があった。胸元のボタンをいくつか外して、鎖骨に舌を這わす。そして、白い肌に赤い花を咲かせた。

「んっ…」

鎖骨から鳩尾にかけて、舐めると甘い声が漏れた。片手でやわらかい胸を手のひらで包み込むように揉み、もう片方の手でメイド服を肩からずらす。腕から洋服を抜くことはできなかったが、右の乳首だけが晒されていて、なんともいえない色気を放っている。ひきつけられるように、乳首に顔を寄せ、まだ立ち上がってない乳首にふっと息をかける。まだメイド服の下にある左の乳首はつんと自己主張をはじめ、親指と人差し指でつまんで引っ張ってみる。

「…ひっ…じゅんた、…あっ…」

青八木の声が口から漏れて、部屋に響いた。手嶋はそのまま、乳首をぐりぐりといじって、青八木の様子を見ていた。固くなった乳首を、舌で転がして、甘噛みをして、音を立てて吸った。すると、青八木はのどを鳴らした。手嶋は笑みを浮かべ、青八木の鼻にキスをした。

「青八木のおっぱい、こんなんになっちゃってかわいい」
「そ、こばっかり…や…」

青八木は顔を赤くして、婉曲的にねだった。手嶋は青八木のかわいらしさに悩殺されてしまいそうだったが、少し意地悪をしようと、青八木の胸から手を離した。

「ここばっかりが嫌なの?じゃあ、俺、触んないほうがいい?」
「…じゅんた…っ」
「言ってくんないと、わかんないぜ。なあ、かわいい青八木。どうしてほしいか、その可愛いお口で俺にお願いしてくれ、な?」

青八木は羞恥のあまり顔を真っ赤にさせて息を呑んだ。手嶋はやわやわと胸を包み込むように触ってたずね、快楽に支配されている青八木の顔を見る。

「ここ?」
「…っ、ちが…っ、やあ…」
「違うの?じゃあ、どこ?」

手嶋は爪で引っかくように乳首をはじいた。かわいくてかわいくてしかたがない。

「じゅ、じゅんたの…いじわる!」

青八木は目に涙をためて、ぷいとそっぽを向いてしまった。手嶋は苦笑して、少し意地悪をしすぎたかと、反省した。

「ごめん、ごめん。青八木がかわいくって、つい」

手嶋はメイド服のスカートをめくり、足の奥に向かって、白い足をつーっとなでた。青八木がぞくりと反応し、反射的に足を閉じた。しかし、手嶋の手をはさんでしまっただけだった。手嶋は指先がしっとりと濡れたのを感じて、うれしくなった。

「……濡れてる…」
「そ、それは…シャワーを浴びた、から」
「ん、そーか、そーか。これは水なのか…」

意地を張る青八木の足を開かせて、表面を少し撫でる。しかし、そこからは水ではない粘着質なものが溢れでる。指に絡めて、青八木の目の前に持ってくる。

「俺の手もこんなに濡れてんだけど」

青八木はきっ、と手島をにらんだ。しかし、潤んだ目では恐さも威厳もない。青八木のかわいらしさのあまり意地悪をしたくなるのだが、あまり焦らしていると自分も持たないので、やめることにした。青八木の足を顔の両側に立たせて、舌でペニスの先を軽くつついた。とろとろになった粘膜がいやらしい。

「あっ…やっ…ふ、あぁああ」
「ここも嫌なのか?」
「……っつ」

すがり付いてくる体はこんなにも素直なのに、と言おうかと思ったが、青八木の口から発せられた言葉にすべてが持っていかれた。

「…じゅん、たが…ほし…いっ」

こんなになるまで強情に意地を張っていたのにもかかわらず、急に素直になった青八木に、手嶋はのどを鳴らした。そして、Tシャツを脱ぎ捨てて、青八木の上に覆いかぶさり、素肌と素肌を触れ合わせた。投げ捨てられたTシャツが埃まみれになることなんて、気にしていられない。青八木に体重をかけないように、狭いベッドに腕をつきながら、体をあわせていく。赤く色づいた唇を合わせて、求め合うように舌を吸い、柔らかな感触を楽しむ。
着替えたばかりのジーンズを脱ぎながら、固く張り詰めたそれを見て、苦笑した。青八木を焦らしていたつもりが、手嶋のほうが焦らされていたのかもしれない。先走りが零れているそれを、青八木の白い尻や太腿にあてるが、なかなか秘所には行かない。

「じゅ、じゅん、た……はや、く…」

青八木にせかされながらも、手嶋はゆっくりペニスを動かす。亀頭が入りそうになりながらも、ぐっとこらえる。何度かさすって、青八木の耳元でささやいた。

「いれるぜ、青八木」
「あああぁぁんっ!」

言うか否や、巨大な質量に青八木は高い嬌声を上げた。青八木の中は吸い付くように締め付けて、とても気持ちよかった。

「……くっ、」

手嶋は低くうめいて、突き上げた。ぎりぎりまで引き抜いては最奥まで突く。

「ひああっ」

ベッドのばねが弾んで身体がはねる。揺れる乳房に吸い付くようにキスをして、そのままきつく乳首を吸った。

「やん、ああっ、ああだめっ、だめいく、いくぅ……っ!」
「ん…っ、いっちまえよ……」

切羽詰った青八木の一番奥を狙って、膝裏をしっかりつかんで青八木の身体を深く蹂躙した。

「あああっ、らめ、じゅんた、きもちぃ、きもちいいっ、ああっ!」
「ん……っ、俺も、すっごい、いい……さいこー」
「あん、ああんっ、やら、らめ、いく、いっちゃう、じゅんたっ」
「青八木、あいしてる。あいしてるよ、」

手島は切羽詰った表情で青八木にそう告げると、青八木はぼろぼろと涙を流しながら微笑んだ。おれも。おれもすき。あいしてる。舌足らずにそう告げられて、手嶋は強く青八木を抱きしめた。
そして、深く深く突き上げた。

「じゅんた…あ、あ……っ――――!!」

手嶋は急いで引き抜き、青八木アの腹の上に欲望を吐き出した。黒いメイド服の上に白濁が散っていった。
白黒のコントラストが淡い光に照らされて、光っていた。

メイド様でも愛してる
(写真に撮るの忘れてた)


20140826/このあと、仲良くお風呂に入ります。

「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -