照れ隠し
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「レッドくん」

「…………………なに」


ほら、また。








レッドくんがシロガネ山から下山して1週間が過ぎた。
レッドくんと会うのは何年ぶりなんだろう…とか、半袖で今までずっと過ごしてたのかな…とか考えていたらキリがない。

その上、下山するなりわたしの目の前でぶっ倒れるんだから本当心臓に悪い。
なんでもありだよね、レッドくんって。




「レッドくん、」

「…………………何」

「わたし、もう来ない方がいいかな…?」

「…………。」

室内でもなぜか帽子を被っているレッドくんは、わたしが喋ったり、目があったりするたびに帽子の鍔を下げる
まるで、わたしと目を合わせないようにするみたいに


それ、結構傷付くんだよ
わたしみたいな、君の事を誰よりも特別に思っている人間は


「ななし」

「……」

「なんで、泣いてる」

「………!」

気づかなかった。
涙が流れてるなんて

なんでもないよ と軽く流し、腰を上げる


「じゃあね、」

…レッドくん、気づいてよわたしの気持ち
分かってよ、この涙の意味





「俺は」

「…?」

「癖がある」

「…」

なに、急に

「人の顔を見る度、バトルしたくなる」

…バトル狂だからね

「眠くなると、ある女の子に会いたくなる」

……………

「好きな子に話し掛けられたり、目が合うと」

…なんなの?もう聞きたくない






「帽子の鍔を下げる」

「…え」



「であったときから、好きだった」




照れ隠し



(そんな君が)

(大好きだよ)




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