君のてのひら
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「がんばろうね、チェリム!」
こちらホウエンコンテスト会場。
わたしはグランドフェスティバルに向けてリボンを集めてる。
わたしには憧れの人が居る
数々のコンテストで優勝を果たし、今回のグランドフェスティバル優勝候補のユウキさん
ニュースで彼の演技をみて、心惹かれてしまったのだ
「このコンテストに勝てばグランドフェスティバル…」
ユウキさんと一度あいまみえてみたい、その一心で頑張ってきた。
毎日ブラッシングしたし、ポロックやコミュニケーション、演技もばっちりだと思う!
だから、負けない
「コンテストに出るの?」
「え、あ、はい」
「あ、僕、怪しいものじゃないよ」
怪しいよ、サングラスにマスクとか…
「頑張ってね、僕、コンテスト見に行くから」
「え、あ、はぁ…」
…なんだろ、聞いたことのある声だったな
*
「ただいまより決勝戦を行うぜー!!!!」
わたしは勝ち進んだ。
だって、チャンスはこれしかないんだから。
「行け、マリル!」
「頼むね、チェリム!」
相手のマリルより目立ってるはず…!
とりあえず注意すべきは、
冷凍ビームのみ…!
「マリル、冷凍ビームだ!」
「かわして日本晴れ!」
「マリル、水鉄砲!」
「はなびらのまいで相殺!そしてしびれごなよ!」
しびれごながマリルに命中。
マリルの動きが鈍くなった
「決めるよ、ソーラービーム!」
「優勝はキンセツシティのななしだー!!!!」
「…か、勝った?」
「完敗だ。おめでとう」
「あ、ありがとう」
握手を交わし、表彰台に向かっていたら、優勝に感動し力が抜けた床に座り込んだ。
「おめでとう、ななしちゃん」
「え…?」
「さっき会ったよね、サングラスにマスクのやつに」
この声…
そして
会場から黄色い叫びが聞こえた
「ユ、ユウキ、さん…?」
「ほら、手」
「あ、ありがと、ございます…」
君の手のひら
(君の事、気になってたんだよ
僕と対等に戦えると感じたからね。)
(ユウキさんの手は暖かい)
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