13
「俺がおくれるのはここまでだ。」
「頂上はこのうえ?」
「あぁ。」
「行ってくるね。絶対に帰るから」
「…ななし」
俺はななしを抱きしめていた
もう、お前が戻って来ない気がしたから
「グリーン、わたしは大丈夫。」
「…ななし」
「絶対にレッドくんを、助ける」
もうお前は、俺の手の届かない所に行っちまうんだな。
だからせめて、今だけは…
手の届く今だけは、
俺の腕の中に居てほしくて
「……………………。」
「行ってきます」
「あぁ。」
行くな、なんて言えねぇよ。
お前はレッドが………
そして、レッドもお前が……
分かってた。何年幼なじみだと思ってやがる
でも、俺も…
「ずっと好きだったよ、ななし」
もう見えなくなる彼女の背中に向かって…