アイツの優しい仕付け講座




「あ、グリーンおはよー!」

「…ななしか」

「そうそう、この間この子捕まえたんだけど…」


そういってななしがボールから出したのはチコリータ。出ると同時にななしから離れ、ブースターの後ろに隠れた…人見知りか?


「何か人が嫌いというか、私が嫌いみたい」

「オマエが嫌われるなんて珍しいよな〜お、可愛いじゃねえかコイツ」

「グリーンばっかりずるい!私も撫で撫でしたいー!!!」

「チコッ!」

「痛っ!ちょ、何で私こんなに嫌われてるの!?痛たたたた! 叩かないで痛いからあああ!」

「本気で痛がってるから止めてやってくれチコリータ」

「チコー…」


半分涙目になっていたななしをみてチコリータに静止をかける。

…本当に何で嫌われてるんだ?


「なあチコリー「よおしチコリータ君!今から君と仲良くなるために仕付けをしようじゃないか」…はぁ?」

「わたし流に考えた仕付けの仕方!グリーン見ててね?」

「…あ、あぁ;」


ななしに手を引かれて向かった先は家。しかも何故か俺の。


「何で俺の家なんだよ」

「私の家今ちょっと散らかってるから駄目なの!じゃあ始めるねー出てきてチコリータ君」


「チコッ」と言って元気よく出てきたチコリータはすぐに俺の方へと寄ってくる。

「おいお前の仕付けなんだからこっち来たらダメだろ」

「チコー?」

「そのままでも大丈夫だからチコリータ君をこっちに向けてくれないかな?」

「おぉ…」


チコリータを足の上に乗せてくるりと一回転させてななしの方へ向けるとニコッと微笑んだ。
くそ、今のは不意打ちだろ…なんて考えていたらいつのまにかななしとの距離が僅しかなくて吃驚したがギリギリで平然を装った。


「チコリータ君…」

「チ、チコ…」

「わたしの事嫌い?」

「チコ」


これは大分危ない光景だと…


「私は君の事好きだよ…?」

「チコ…」

「もっと君の事知りたいな」

「チコ?」

「だからわたしの事も知ってほしいな」


チコリータの目線に合わせて話しているななしは俺から見るとどうしても上目遣いでさっきから心臓がバクバクと煩い。


「駄目…かな?」

「チコッ…?」


ななしがチコリータを抱き抱えようとしたした瞬間俺は止めに入った。


「ストーップ!!!」

「どうしたのグリーン?折角いいところだったのに〜」

「いいところじゃねぇよ!」

「何でー?!」

「何つーか…その、よ。お前エロすぎ!」

「どこが!?」

「全部だよ全部!もうその仕付けの仕方禁止な!」




アイツの優しい仕付け口座

(何で駄目なのー?)

(俺の心臓が持たねぇんだよ!)

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何かギャグじゃない…かもです;

By恵

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「「好きよ好きよも好きのうち?」」