逃がさない


「さて、シッポウシティに向かおうか」

「そうね!ジムにも勝ったし」

「トウコ、待たせすぎだし」

「なんですって!?」

「あわわわ、落ち着いてぇえ」



俺達はジムに勝ち、次の町に向かっていた

「どけどけどけー!」

「なんだよ今の…?」

「あの、今の連中は…」

「あっちに行ったけど…どうかしたのかい?」

「なんて早い逃げ足なの!わたしのポケモンが…」

「何があったの?」

「さっきの連中にポケモンとられちゃった…」

「大丈夫、泣かないで。トウヤ、僕達でポケモンを取り戻すよ」

「あぁ。ベルとトウコはその子の側に居てやってくれ」

「わかったわ!」


プラズマ団を追えば、ユウリに会えるかもしれない。





「あいつら、この中に入ったな。先に行く」

「……あぁ」

「ポケモンを返しなよ」

「うるさいだまれ!」

「トウヤ!…こいつら、話が通じない面倒な連中だね」

「あんな子供にポケモンは使いこなせない。それではポケモンが可哀相だろ?」

「お前らのポケモンも同じ。我々プラズマ団に差し出せ!…というか奪ってやるよ…!」

「俺が勝ったら、ユウリの居場所を教えろ」

「おぃ、トウヤ!」

「いいだろう。しかしお前が負けたらポケモンをいただく!」

「やってみろよ」





瞬殺といっても過言じゃないと思う
僕がやっと1体を倒したと思うと、トウヤは勝っていた
僕はトウヤより、弱い…


「なぜだ…!なぜ正しき我々が負ける!?」

「さてあの子から取り上げたポケモンを返しなよ」


「返す必要はないぜ!」

「大変だよな、理解されないばかりかジャマされるなんて…」

「あげくユウリ様の居場所を聞くなんて」

「相手は2人、我々も2人。こちらの結束力を見せつけ我々が正しいことを教えてやるよ」

「まだ居たとはね…それにしてもポケモン泥棒が何を開き直っているんだか」

「…チェレン、」

「あぁ、幼なじみのコンビネーションで彼等に思い知らせよう」





余裕だった
今まで一緒に旅をしてたけど…チェレンがこんなに強くなってるなんてな



「プラーズマー!負けただと!?」

「俺達はポケモンを解放するため愚かな人間どもからポケモンを奪っていくのだ!」

「本当面倒くさいな。どんな理由であろうと人のポケモンとっていいわけないよね?」

「お前たちのようなポケモントレーナーがポケモンを苦しめているのだ…」

「なぜトレーナーが苦しめているのか全く理解できないね」

「くっ………こうなりゃ逃げるぜ!」


「あ、待て!」

「何してる?」

「…ユウリ様……!」

「勝負に負けたあげく逃げるとは…お前たちはプラズマ団の名をすたらせる気か?」

「も、申し訳ございません…!」

「負けたなら潔くポケモンを返す!逃げるのはその後だろう?」

「あ、あのユウリ様は普段の嫌味を言うユウリ様ではない…」

「ものすごく怒っているユウリ様だ…」

「…ポケモンは返す。しかし我々は必ずやポケモンを解放してみせる」

「いつか自分たちの愚かさに気づけ…」





「ポケモンの能力を引き出すトレーナーがいる。トレーナーを信じてそれに応えるポケモンがいる。あいつらは、本当、馬鹿だね…
ゲーチスの手駒となって、利用されて………」

「さて…トウヤ、僕がポケモンを返してくるよ」

「あぁ。」

「………。」


ユウリが洞窟を出ようとした
でも、俺は…

「待てよ。聞きたい事がある」

「…なに?」

「お前は、何者だ…?」




ユウリ、キミをここで逃がすわけにはいかない。


逃がさない


(君の事が少しでも知りたくて)

(引き止めた自分がいた)





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