もう戻れない 「さて、ジムに行こうか」 「あぁ」 「ヤーコンさん、初めまして。 ワタクシ、プラズマ団のゲーチスと申します。お世話になった同志を引取に来ました。」 「いやいや、礼はいらんよ。あんたの仲間がポケモンを奪おうとしていたんでね」 「おや、誤解があるようで。ワタクシはポケモンを悪い人間達から解放しているだけですよ」 「そうだといいがね。ワシは正直者ゆえ言葉遣いが悪い。それに反してあんたの言葉はきれいだがどうもきな臭くてな。 で、なんだというんだ?」 「プラズマ団としてもホドモエシティに興味がありまして。ここにいる以外にもたくさんの部下がいるのですよ…」 「……その言葉、ウソか本当かわらんが戦わずして勝つとはね…たいしたもんだよ フン!分かった。こいつらを連れて帰りな!」 「さすが鉱山王とよばれる商売人…状況を見る目に優れておられる。ではそちらの七賢人を引き取らせていただきます」 「ゲーチス様、ありがとうございます…」 「よいのです…共に王や姫のため働く同志…同じ七賢人ではないですか… それにワタクシ、姫が戻って来て機嫌がよいのです」 「ユウリが、姫…?」 「おや、あの時のトレーナーですか。側近なんて上辺だけですよ。彼女は姫になられたお方だ。」 「そんな…」 「それではみなさん、またいつの日かお会いすることもあるでしょう」 「あのゲーチスってやつ、ただものじゃないって感じだ」 「あぁ…」 「さて僕はポケモンを鍛えてくる。あのヤーコンって人には絶対負けたくないし…、今の話を聞く限りユウリはもう向こうの人間らしいからね」 「あぁ…もしかしたら」 「戦わなきゃいけないかもしれない」 「じゃあまた後でな」 「あぁ。」 もう戻れない (時の歯車は最悪の方向にしか進まない) |