開いた道



びっくりした
まさかパパがここまで来てるなんて………


「パパ!?どうしたのこんなところまで…」

「どうもこうもお前を連れ戻しに来たんだよ。ママから聞いたけれどここまで旅をしたんだ。もう充分じゃないか」

「やだあ!みんなと…ポケモンと一緒に旅するんだもん!」

「ダメだ!他所は他所!うちはうちだよ!」

「だったら、あたしはあたし!パパはパパだもん!」


あたしだって旅をしたい
怖い思いをしたけど、みんなが居てくれたからここまでこれたのに………



「……っ」


「お嬢さん、旅を続けなさいな」

「?」

「ちょっと!どなたです?親子の話に…」

「カミツレと申します。このライモンシティのジムリーダーやモデルをしています


もちろん世界にはいろんな人がいます
自分とは考えが全く異なる人もいて、ときには傷付くこともあるかも…」


「そうでしょうとも!そうなんです!わたしはそれが心配で…」

「ですが、そうしたことを繰り返し自分と他人は違うことを、そして違っていて当然だと知っていくのが大事ですよね。それに心配しなくてもお嬢さんの側にはいつもポケモンやトウヤ達…仲間が居てくれます。」


「お願い!パパが心配するように大変なことがあるのは知ってるよ…知ってるもん!
だけど!いい人も居るし、友達だって出来たし…ポケモンと一緒にあたしもちょっとは強くなったんだよ!…だから…!」

「…むむっ
…………そうだよねえ。旅を続けたいのがベルのワガママというなら旅をやめさせたいのはわたしのワガママだ
。…わたしの方が子供っぽい
ジムリーダーさんに言われて気づいたよ。ベル、今は君がしたいことをしたほうがいいんだよ、きっと。
パパは君の旅が楽しいものであるよう祈るさ

トウヤ、トウコ、チェレン…ベルをよろしく頼むね」

「はい!」



「…パパ、あたしやりたいことを見つけたらちゃんと家に帰るから!」

「あの人もきっと昔はトレーナーとして旅をしてたはずなのに…親って大変なのね……お節介だった?なんだか困ってるようにみえたから声掛けちゃった。」

「…いえ…ありがとうございます」



「さてトウヤ達、5番道路で待ってるから」




「ベル」

「あたし…」

「君には僕らがついてるだろ?」

「それに、ポケモンも、ね!」

「あぁ。さて行こうか、ホドモエシティに…」



俺達は、何も知らなかった
プラズマ団の脅威に、
ユウリの豹変に………




開いた道


(カミツレさん、カッコイイな)





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