守るべきもの


遊園地に行くと、大きな観覧車が見えた

もしかしたらあいつらはこの観覧車の中に逃げたかもしれない………
すると聞いた事のある声が響いた



「…プラズマ団を、いやユウリを探しているんだろう?」

「…N」

「彼らは遊園地の奥に逃げて行ったよ。ついてきたまえ」






こいつはいつも俺の前に現れる
何を考えてる?
敵か、味方か、


「…いないね。観覧車に乗って探すことにしよう」

「はぁ?…何が楽しくて男と…」

「ユウリも居るかもね」

「…………。」

「ボクは観覧車が大好きなんだ。あの円運動、力学、美しい数式の集まり…
そして彼女とよく遊びに来たのも、この観覧車だった…



ユウリとNには昔からつながりがあった…
そう聞いただけで何故かイライラともどかしさが俺の中で広がった
なんだ、この気持ち…
モヤモヤする



最初にいっておくよ、ボクがプラズマ団のボス
ゲーチスに請われポケモンを救うんだよ。
ユウリと一緒に世界を救うんだ…!」


ムカつく
ムカつく!お前にとってユウリは何
ユウリにとってお前は何?


「Nさま…!」

「ご無事ですか!?」

「問題ない。それより…」

「ユウリ様も無事こいつらから取り返しました!」

「よくやった。ポケモンを救うために集った人々も…ユウリも…ボクが守るよ。

ボクが戦う間にキミたちはこの場を離れたまえ。
ユウリを早く連れて帰っておやり。」

「…N………お前…」

「ねぇトウヤ…ボクの考え、理解出来るかい?」

「馬鹿言え。出来るわけねーだろ」

「…残念だよ。
さて…ボクにみえた未来…
ここではキミに勝てないが逃げるプラズマ団のため、ユウリのため、相手してもらうよ」







俺はなんだかおかしい
コイツとユウリに繋がりがあるのもそうだけど…
ユウリが奪われた事も
だから怒りに任せ戦った
ごめんな、ジャローダ




「結果は一緒だった…だがキミは何者だ…?

キミは、強いな…だがボクには変えるべき未来がある。そのために…!



ボクはチャンピオンを超える

誰にも負けることのない唯一無二の存在となり全てのトレーナーにポケモンを解放させる…!

キミがポケモンといつまでも一緒…!
そう望むなら各地のジムバッジを集めポケモンリーグに向かえ!
そこでボクを止めてみせるんだ」


「………」

「それほどの強い気持ちでなければボクは止められないよ…

それに、ユウリも守れない」


「守る…?それはどういう……!?」

「じゃあね、トウヤ。
それと一つ残念なお知らせだ。
次にキミの前にユウリが現れるとき、ユウリはキミの事を忘れ、プラズマ団の姫となっているだろう…」


「…N!お前、何をする気だ!」

「ボクじゃない。ゲーチスさ…
やつはユウリにただならぬ感情を抱いている…」

「人質をとってまで欲しかった存在………。」

「そうさ。ただゲーチスの抱く感情はボクには分からない。…だからユウリはボクが守るしかないんだ…プラズマ団の王として…!」


「……………。」





守るべきもの


(Nの後ろ姿を、俺はただ見ているしかなかった)





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