彼女の意味


「これはこれはジムリーダーのアーティさん…と、ユウリではありませんか」

そう言ったのはゲーチスだった
なぜこんなところに…?
1番会いたくない相手だったのにさ


「プラズマ団って人が持ってるものが欲しくなると盗っちゃう人達?」

「ジムの眼前に隠れ家を用意するのもおもしろいと思いましたが意外に早くばれましたな」

「たしかに…いや、当たり前ですかね…。」

「なぜです…?」

「そうでしょう、ユウリ…」

「まあね」

「まぁワタクシたちの素晴らしきアジトはすでにありますからね…。さて、アナタがたイッシュ建国の伝説はご存じですか?」

「知ってるよ!白いドラゴンポケモンでしょ?」

「そう…多くの民が争っていた世界をどうしたらまとめられるか……?その理想を追究した英雄のもとに現れ知識を授け刃向かう存在にはキバをむいた…白いドラゴンポケモン…英雄とポケモンのその姿、力がみなの心を一つにしてイッシュを作りあげたのです

今一度!英雄とポケモンをこのイッシュに蘇らせ、人心を掌握すれば!
いともたやすくワタクシの…
いや、プラズマ団の望む世界に出来るのです…!」


ゲーチスが声高らかに主張する
お前はただ利用してるだけだろ
わたしには分かるんだよ




するとアーティさん…だっけ?が真剣な表情で口を開いた
ふぅん。おちゃらけたイメージだったけど…そんな顔もするんだね


「このヒウンにはたくさんの人がいるよ。それぞれの考え方、ライフスタイル、本当バラバラ。正直何を言ってるか分からない事もあるんだよねー。」

「はて…」

「何を?」

「だけどみんなに共通点があってね、みんなポケモンを大事にしているよ

初めて出会う人ともポケモンを通じて会話する。勝負をしたり交換したりしてね

カラクサの演説だっけ?…ポケモンとの付き合い方を見つめなおすきっかけをくれて感謝してるんだよ。そして誓ったね。もっともっと真剣にポケモンと向き合おうってね…!」

へぇ…良いこと言うね


「フハハハ!つかみどころがないようで存外キレものでしたか…ワタクシは頭のいい人間が大好きでしてね…。王のため世界各国から知識人を集め七賢人を名乗っているほどです……いや、例外も居ますがね。ねぇ、ユウリ…?」

「…………。」

「よろしい!ここはあなたの意見に免じ、ひきあげましょう。
そこの娘、ポケモンは返してやろう…」


「あっ、ありがとう!ムンちゃん、お帰り!」

「バオップ…!無事でよかった…」

「ベルおねーちゃん!こいつら悪いやつらなんだよ?!」

「で、でもお無事で嬉しくて…」

「これは麗しいポケモンと人の友情…!ですがワタクシはポケモンを愚かな人間から自由にするためイッシュの伝説を再現し、人心を掌握しますよ…!」

「………」

「…そしてアナタ、トウヤと言いましたか…」

「なんだよ」

「あまりうちのユウリに近寄らないで頂きたい。最近アナタのお話しかしなくなりましてねぇ…」

「なに、嫉妬?」

「フハハハ!何を馬鹿な事を…」

「ならコイツは俺が貰うから早く帰れば?」

「トウヤ…」

「ユウリ、アナタは必ず戻ってくる、いや、戻らなければならない運命なのですよ…では、ごきげんよう…」




「どーして悪いヤツを見逃しちゃったの?!」

「だって奪われたポケモンにもしものことがあればボクたちはどうすればいいのさ?」

「大丈夫だよ。アイリスちゃんありがと!」

「…だったらいいけど……」

「で、今からみんなはどうするのさ…?」

「ヒウンアイス買いに行く!行こう、トウコ!」

「えぇ!」

「あ、アイス!」

「わ、びっくりした…」

「キープしてたんだった…!」

「なんですって!?」

「みんなで食べよー!」

「ユウリ、あんた最高よ!」

「早くいこうよお!」






「トウヤくん、彼女…」

「えぇ、プラズマ団の王の側近です」

「例外…か。」

「両親を使ってまで、なぜゲーチスはユウリが欲しかったのか…」

「だよねぇ。」

「知識人であり、ポケモンが強い…ただそれだけなのか…?」

「うーん、わからないなー。」

「トウヤー!」

「あ、うん!じゃあアーティさん。俺はこれで…」

「あぁ。ジムで待ってるよ」

「はい。」






彼女の意味

(なぜ、ユウリなんだ…?)





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