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「―以上が9代目から言い渡された処罰についてだぁ。」


「そんなもんなの?」

あまりにも軽い処分に、談話室のテーブルを囲んで座っていた一同が口を揃えた。
唯一壁にもたれて腕を組みこちらの様子をを伺うように聞いていたヴァリアーの副隊長オッタビオが壁から背を離す。


「そんなもん、じゃありませんよ。なんて事してくれたんですかあなた方。」

「…!」

指の腹で眼鏡を押し上げながらオッタビオが言い放った。
レヴィが立ち上がろうとしたが、ルッスに窘められる。それを見てルッスの影にすっぽりと隠れていたベルがナイフを収めた。


「…あとよう…俺の個人的な話もあんだ。…オッタビオだけ席外してくんねぇ?」


「はぁ?なんです。私には言えないことですか?また何か企んでいるんじゃないでしょうね、S・スクアーロ!…それに、」

「いや、コイツらに先に言っとかないといけないことがあるんだぁ。必要ならお前にもあとで話すから…」


淡い銀色の睫毛に縁取られた、蒼銀の瞳が真っ直ぐにオッタビオを見やる。
小さく舌打ちをするとオッタビオは退室した。ベルが扉に向かって嫌そうな顔で舌を出す。

「アイツ、マジうぜぇ。」


「ベルちゃん、そういうのは思ってても秘めとくもんよ。もしくは偶然を装って殺っちゃいなさいな。…それでスクちゃん、話って?」


スクアーロは組んだ腕をほどき、腹の上に手を乗せた。

「まずこれは、ほんとに個人的なことなんだぁ。」


「うん?」
「勿体ぶらずに話せ」
「何だよ、前置きするとか珍しいのっ。」
「あんまり時間とらないでよ。時は金なりって知らないの?」

口うるさい副隊長が去って、皆が口々に喋りだしす。


「…俺…、…妊娠してる。ボスの…子。」


騒がしかった室内はシィーンと静まり返った。



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