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「う゛ぉぉぃ…!ザンザスっ」


帰ってくるなり、一直線にザンザスの執務室に向かったスクアーロが吠えた。


「どうだった?」


ニヤリと笑みを浮かべてザンザスは椅子の背にもたれた。



「…くっ……出来てる…らしい…子供」


「ふんっ、良かったじゃねぇか」


ふんぞり返って笑みを絶やさない男を、スクアーロは睨みつけた。


「良かったじゃねぇよっ!仕事どうすんだぁ?!…はっ…テメェわざとか?!!」


「偶然だ。まぁ、先に気付いてたがな。良かったじゃねぇかシルヴィアに兄弟できて」


「……はぁ……もういい…」



つくづくマイペースに話をするザンザスには怒りよりも呆れが勝ち、ぐったりと部屋を出て行こうとした。


「待て、スクアーロ」


「?」


「…やる」


ザンザスは机の引き出しから小箱を取り出してスクアーロに差し出した。


「なんだぁ?」


スクアーロはその軽くて小さな箱をじっと見つめた。


「指輪だ。」


丁度開けようとした時、ザンザスがそう言ったので、スクアーロは開ける手を止める。


「はぁ?」


「結婚するぞ。」


一瞬の沈黙の後、小さく溜め息をついてスクアーロは口を開いた。


「……う゛ぉぉぃ…からかうなぁ。」


「本気だ」


ザンザスの目は真剣だ。真剣だからこそ、スクアーロは困ってしまった。





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