41 「う゛ぉぉぃ…!ザンザスっ」 帰ってくるなり、一直線にザンザスの執務室に向かったスクアーロが吠えた。 「どうだった?」 ニヤリと笑みを浮かべてザンザスは椅子の背にもたれた。 「…くっ……出来てる…らしい…子供」 「ふんっ、良かったじゃねぇか」 ふんぞり返って笑みを絶やさない男を、スクアーロは睨みつけた。 「良かったじゃねぇよっ!仕事どうすんだぁ?!…はっ…テメェわざとか?!!」 「偶然だ。まぁ、先に気付いてたがな。良かったじゃねぇかシルヴィアに兄弟できて」 「……はぁ……もういい…」 つくづくマイペースに話をするザンザスには怒りよりも呆れが勝ち、ぐったりと部屋を出て行こうとした。 「待て、スクアーロ」 「?」 「…やる」 ザンザスは机の引き出しから小箱を取り出してスクアーロに差し出した。 「なんだぁ?」 スクアーロはその軽くて小さな箱をじっと見つめた。 「指輪だ。」 丁度開けようとした時、ザンザスがそう言ったので、スクアーロは開ける手を止める。 「はぁ?」 「結婚するぞ。」 一瞬の沈黙の後、小さく溜め息をついてスクアーロは口を開いた。 「……う゛ぉぉぃ…からかうなぁ。」 「本気だ」 ザンザスの目は真剣だ。真剣だからこそ、スクアーロは困ってしまった。 [mokuji] [しおりを挟む] TOP |