| ４０ 「ただいまー！…ママン？」 遠くで高い声が聞こえた後パタパタと足音が近付いて来た。 「おかえり。どうだった？ジイさん怒ってなかったかぁ？」 スクアーロは気だるく重たい体で立ち上がり、扉を開けて愛娘を迎えると抱き上げた。 「うんっ！」 「よかったなぁ」 シルヴィアの後ろからゆっくりやって来たザンザスが扉のところで一度立ち止まり、スクアーロの顔をじっと見た。 「…顔色が悪いぞ。」 「う゛ぉ？…そぉかぁ？」 咄嗟に誤魔化したが、スクアーロの嘘はザンザスにはいつもすぐにバレる。 溜め息をひとつ吐くと、スクアーロにしがみついたままのシルヴィアをはぎ取った。 「さっさと医者に行って来い。…今日は一緒に過ごすんだろ。」 「う゛おぉっ…悪ぃ」 「ママン具合悪いの？」 「大丈夫だぁ。すぐ帰ってくるぞぉ」 シルヴィアとザンザス２人の頬に軽くキスをすると、スクアーロは部屋を出て行った。 「ママン、大丈夫かなぁ」 シルヴィアが少し口を尖らせて呟いた。もう少し母親と触れ合っていたかったのだろう。 「あぁ。病気じゃねぇよ、多分な」 「なんでわかるの？」 「なんとなくだ」 「変なのっ」 ザンザスは少し意地悪そうに笑うと、シルヴィアをソファにおろしてルッスーリアを呼んだ。 「何かしらん？ボス」 「スクアーロを医者に行かせた。俺は少し仕事するから、シルヴィアを見てろ。」 「はいはい。お安い御用よ〜。シルちゃん、おやつにしましょ」 「うんっ」 ◇◇◇◇◇ 「う゛ぉぉぃっ…マジかよぉ…」 スクアーロは無事診察を終え、頭を抱えた。 [mokuji] [しおりを挟む] TOP |