小説 | ナノ




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「私を、どう扱ったらいいのかわからないって思ってる」


スクアーロによく似た小さな女の子ははっきりとした口調でそう言った。


(…クソっ…顔に出てたのか?)


そう思うと同時に小さな手がザンザスの手に触れた。


「違うの…ただ、そう思ったの」


「…まさか」

思い当たる可能性に気付き手を引きそうになったが、それは無いだろうと思い直して触れたままの手をそのままにした。


「どうしたの?」


「いや、正直に言えばそうだ。俺は子供の頃…今もか。親が苦手だったから親子の接し方をしらねえ」


「…私は頭を撫でてくれるだけで充分よ?一緒に暮らせるなんて夢みたいだし」


「そうか。」


「ママンも悩んでるみたいだったし、私のせいだと思うの」


シルヴィアは膝を抱えて顔を埋めた。


「よく見てんだな」

「心配すんな。なんとかしてやる」


そう言って力強い大きな手が頭を撫でたので、シルヴィアは嬉しくなって思わずザンザスに抱きついた。







「と、言うわけで俺がコイツを守るから何の問題もねえ」

「どういうわけだっ」

いきなり食堂に現れたザンザスはシルヴィアを片腕に抱きかかえていた。いつのまにそんな親しくなったのかと一同呆気に取られていたが、スクアーロが持っていた皿を落としそうな勢いでツッコミを入れた。


「俺の子に手を出してタダで済むハズがないくらい、常識にしてやるよ」


「お前そんな親バカだったかぁ?…仕事はどうすんだぁ」


「問題ねえ、寒いから俺はしばらく事務仕事をするからな。」

「っ…クソボス」


「ママン、ごめんなさい…」


「悪ぃ、シルは悪くねえよ」


「決まりだな」




「―――――――っっ!!」


満足気にニヤリと笑うザンザスに、スクアーロはついに皿を叩き落とした。


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