17 リング争奪戦から1ヶ月が経った。 ようやくヴァリアーの隊員も幹部も全員の退院が済み重傷により一番最後までかかってしまったザンザスとスクアーロは9代目から手配された同じ車に乗せられてボンゴレの館へと向かった。 通された部屋には9代目の守護者全員が配され、2度に渡る反逆の首謀者達を囲んでいた。 「まずは、処罰の話だ。…まさか2度も同じ人間に処罰を言い渡すなんてな。」 家光が無精ひげをさすりながらスクアーロを見た。 「はっ…。ガキの時に殺しとくべきだったなぁ!」 スクアーロは強気に答えたが、今の彼女には不安があった。 娘のシルヴィアは完全に向こうの手中にあるのだ。 子供の存在をザンザスに言い出せないままリング争奪戦に突入してしまい、今この場で娘のことがザンザスに知らされることになるのは非常にマズい。 (あぁ、シルヴィア…俺、もうお前に会えないかも…) 「では、処分だが。独立暗殺者部隊ヴァリアーの決定・指揮権はボンゴレ9代目に移る。ヴァリアーのボス、ザンザスからの決定権の剥奪。幹部は2週間の謹慎。ザンザス及び副隊長スクアーロは1ヶ月の謹慎、以上だ。」 なんて甘いんだ。 2度目の処罰も気持ち悪いくらいに甘いもので、スクアーロは絶句した。前回は妊娠していたから甘かったわけじゃなく、本気であの内容だったのか。 「…おい。」 「なんだね」 ザンザスが脚を組み替えた。 「それでいいんだな?後悔すんじゃねえぞ。」 (おいおいボスさん、堂々と「またやるからな」宣言かよ) 「ああ。甘いだろうが、私の目指すボンゴレはそんなんでいいんだ」 「チッ…てめぇとは気が合わねえ」 そう言って立ち上がり、部屋を出るザンザスの後を追った。 [mokuji] [しおりを挟む] TOP |