キャンプ日和



※四天メンバーとキャンプに行ったら


夏休みなんだから皆で綺麗な川へと一泊二日のキャンプへ来たのだけど、


「あかん…!自然の中に小春て、眩しすぎて見れんわ!!」
「どうでもええからテント建てや!!」


一氏が役に立ちません。さっきからあの調子だ。小春すらちゃんとご飯の準備しているのに一氏ときたら、小春小春と五月蠅いし非常に役に立たん。
謙也も負けじと五月蠅いけれど、まぁあれは一氏を怒っているから五月蠅いのであって一氏の五月蠅いとは訳が違う。俺達の心を代弁してくれているだけだ。
テントはあの二人と銀に任せているから大丈夫だろう。

それに、コッチにも問題あるし。


「あかん、やっぱ電波届かへん…イライラしてしゃーない…」


俺と光で火起こししているんだけど、もうさっきから光がスマホの電波の事しか考えられないようで。そこまで町から離れたわけじゃないのに電波は此処には来ないようで。
中毒患者(末期)の光はさっきからガムを噛んでイライラを何とかしようと頑張っている、いるけれどさっきからスマホを確認したり貧乏揺すりしたり作業してくれなかったり…火、起こさないとご飯食べられないんですけど。

そんな俺の心配をわかってくれたのか、ポンっと肩を誰かに叩かれる。
「ん?」と振り返ってみればそこには一氏のアイドルの姿があった、遠くから「なに小春に近づいとんねん!!死なすど!!」という声が聞こえたが気にしない事にした。


「光、働いてくれへんの?」
「…まぁ。」
「蔵リンに頼んだ方がええかしら?」


……蔵に?
なんでなのかよく分からなかったが、小春が一緒にご飯の準備をしていた蔵に「蔵リーン」と声を掛けた。やっぱり遠くから「浮気か!!」と聞こえるけど無視で。
金ちゃんの世話をしながら野菜を完璧に切っていたようだが、小春の声に気付いてコッチを向いた蔵は少し面倒くさそうに瞳を細める。でもお構い無く小春は手を振りながら声を続けた。


「コッチ助けたって。」
「なんやねん。」
「蔵リンのお姫様のピンチやでー。」
「なんやと!俺の姫のピンチ!?」
「誰の事だよ!?俺の事見るなよ!!」


ぎらっと瞳を輝かせるや否や、俺の方へダッシュでやってきた。面白そうな匂いを嗅ぎつけた金ちゃんをおまけに。
物凄い勢いで側に来ていっそ警察を呼んだ方がいいのかもしれないくらいの至近距離(鼻先と鼻先がふれあってるんですが)で息を荒くされたらもう、手が出ても俺は攻められるわけがない。
思わず腹へ一発、拳を入れてしまっていた。


「ぐっ…!」
「なにすんだよ!!」
「ピンチやろ?王子様が助けに来たで!?」
「求めてない!!」
「火、起こせんのやろ?そんなん俺が起こしたるで!!」
「うわぁ部長、きもいっすわぁ…。」


なんの働きもしていない光の呟きをスルーしながら、蔵は勝手にご飯係から抜けだして火起こしに加わって意気揚々とやりはじめる。お前、キモイぞ。やってもらう側の人間だから文句なんて言わないけれどな。

しょうがない、蔵が勝手に抜けた分ご飯係を手伝おう。小春にそう伝えれば野菜を洗う仕事を頂けた。ちょっとくらいは働かないとな…光よりは働こうと思う。
かごいっぱいの野菜を持って川の淵に座り込む。土がついているジャガイモやニンジン何かを洗って洗って綺麗にして。
単純作業だけど、火起こし係とは正反対なこの作業はどの作業よりも涼しくていいな、蔵ありがとう。
呑気にやっていても小春の迷惑になるからさっさと終わらせて…


「新しい野菜やでー!!!!とーぅ!!!!」
「っうえ!?」


背中に何やらぶつかってきた。つーか、タックルされた、つーか、目の前は川なんですけど…
ばしゃーん、という派手な音が辺りに響いて、みんなが川を見た時。俺と俺の背中へタックルしてきた金ちゃんは川へ落ちていたそうで。水深は膝上くらいだったから良かった。
一瞬にして水の世界へ入った俺は慌てもがきながら水面に顔を上げて、腰に抱きつきっぱなしの金ちゃんと目があった。流石に分かってるのか苦笑いを浮かべていて。
そんな光景にテントを張っていた三人も、火を起こしていた奴も、イライラとガムを膨らませていた後輩も、野菜を切っていたアイドルも笑っていて…


「…」
「え、えへへ…堪忍な!!」


誰よりも先に泳ぐ羽目になった俺は、怒るに怒れずにただ1つ叫んだ。


「もー腹減ったから早くカレー作ろうぜー!!!!」




キャンプ日和




「堪忍なー…」
「いいよ、涼しくなったし。」

「ええな…透けとる服…エクスタシーやで!!」
「あかんわ、それは犯罪やっちゅー話しやで…。」
「キモイっすわ。」


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千歳と小石川は神隠しです、
嘘です、入れる隙間がありませんでした。
銀さんも喋ってないし
本当グダグダで申し訳ないです。
2013,04,26



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