Memo

◇ しーん。


〜立海幼稚園、2〜


「みんなー、手を合わせていただきますしようねー。」

「ふぁーい!」

「フライングしている最中の赤也君が元気に返事しても先生悲しいなー。その周りの歩調に合わせないスタイル、死の間際に後悔するから直そうねー。」

「はーらーへったろーぃ!!はやくー!!」

「じゃあみんな、いただきまーす。」

「いただきますだろーぃ!!」

「それおれのからあげ!!」

「こらこらブン太くん、ジャッカルくんの唐揚げとったら駄目だろ?ほらジャッカルくん今しかないよ、もう今でも若干古くなってきたあの言葉を言わないと。10倍返しってね。」

「…ぴよっ。」

「におうくんのおべんとう、とてもすごいですね。」

「せんせい、おれのべんとうどらえもんなり。」

「本当だ。凄いねお母さん、きっと早起きして作ってくれたんだね。でも食べないといけないのは母の努力を踏みにじる気分だ、さぁ雅治くんどうしようか?」

「しゃめ、するぜよ。」

「この現代っ子め、そんなんじゃ将来携帯の充電器3個もって出掛ける大人になっちゃうぞ。比呂士君のお弁当も綺麗だね。」

「…でも、きらいなぴーまんはいってます…。」

「じゃあ先生が良いこと教えてあげるよ、それは赤也君のお弁当箱にソッといれるってだけの簡単なマジックだよ。赤也君を見てごらん、1週間絶食した人みたいに一心不乱に食べているから気付かないよ。」

「あかやくんもぴーまんにがてだったような…。」

「気にしたら負けだよ。」

「やぎゅう!ぴーまんもたべられんとはたるんどるっ!」

「弦一郎君、分かったからそのお弁当箱に入っているおでん早く食べなさい。それとも職員室にある電子レンジでアツアツにしてあげようか?」

「おでんはおいしいからいれてもらったのだ!」

「ドヤ顔で言われても先生困っちゃうな、とりあえず弦一郎君が芸人さんみたいなリアクションとるところ見たいから温めてもいい?」

「げんいちろうなら、きにせずたべるかくりつ…95%。」

「そうかもね。蓮二君のお弁当は…シンプルだね。今どき日の丸弁当を持たせるお母さんがこの日本にいたなんて感動しちゃうな。」

「そざいはいっきゅうひんだ。」

「今日のお迎えはお母さん?先生感動のあまりに思わず「素敵な日の丸ですね」っていってもいいかな?というかお米はコシヒカリかなにか?塩は伯方の塩かな?梅干しは何処だろ?」

「せんせい、おれのおべんとうもすごいですよ。」

「本当だ、蓮二君に負けないくらいシンプルだね。ご飯の上に海苔で『神』ってどんな宗教なの?勧誘だけは幼稚園の外でやってね。」

「ふふ…ごはんのしたには、おかずがうまっているんだ。」

「おかずが人でその上にあるご飯が雲で海苔が精市君?」

「ごちそーさまでっした!」

「比呂士君、赤也君のお弁当箱にピーマンを入れてごちそうさまをさせないで。これ以上の単独行動は先生怒っちゃうぞー。」



今日も平和です。
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