想いひとひら(跡部)

自分の中ではっきりしない事柄があるのならば、文字に起こしてみると意外とはっきりすることがある。というのを読んだから、とりあえずルーズリーフに授業中一心不乱に書いてみた。後で読み返すとそれはただのラブレターで、好きかもしれないなあなんて暢気に構えていた私は、自分の世界がひっくりかえるような恋心と対面した。それがほんの15分前。
嬉しいような恥ずかしいような悲しいような。でもこんな想いを持っていても絶対に届かない相手だしなあ。
読めないくらいビリビリに破いた紙を屋上からテニスコートに向けて投げた。ひらひらと桜吹雪のように風に乗り舞い上がる。欠片だけでも届けば満足。

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