菩提樹(幸村)

「絞め殺しの木っていうのがあるんだって」
なんだか心躍る名前じゃない?と言うと、少しおっかないよ。と精市は笑った。
「菩提樹とかそうなんだって。仏像の首に絡みつくの」
そう言って、私は精市の首に腕を絡めた。
「仏様は菩提樹の下で悟ったでしょ?その菩提樹が仏像に絡みついてるのってなんだかとても幽玄」
「ふふ、君はたまに難しい言葉を使うね」
精市の頭に頬を寄せながら目を閉じる。
「まるで…」神様が束縛しているみたい、という言葉をのんで、精市を抱く腕の力を強めた。
わたしはあなたが神の子なんて呼ばれなくてもいいの。

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