きみは特別
「くにみつ」
「うん?」
「国光さん国光さん」
「どうした」
「なんでもないです」
「そうか」
「国光ー国光ー」
「どうした」
「なんでもないです」
「そうか」
「国光くん?」
「なんだ」
「なんでもないです」
「そうか」
「国光ー」
「呼んだか」
「…って本当に呼んでもいいのかなぁって」
「俺は一向に構わないが」
「だって国光なんて呼ぶのたぶんこの学校で私しか居ないよ。とても特別だよ。いいの?そんな権限私がもらって」
「俺は特に気にしてはいないが…お前が気になるようであれば無理に下の名前で呼ぶ必要もない」
「そんな滅相もございません国光」
「そうか」
「そうでございます国光」
「なんだか気になるな」
「どうなさいましたか国光」
「なんで語尾に俺の名前をつける」
「嬉しいからでございます国光」
「嬉しい?」
「だって私だけ名前を呼ぶことを許されるなんてすごいことだよ。あの手塚国光だよ、私すごいなって思う」
「そうなのか」
「そうでございます国光」
「あ、でも国光さんの方がいいかも」
「俺はどちらでも構わないが」
「国光さんだと新婚さんぽいじゃん」
「あら?照れてらっしゃるのあなた?お顔が赤いわよ」
「…お前には敵わない」
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2011.06 こっちに移行