点と点

壁に寄り添いながら文庫の文字を追い続ける。不意に投げ掛けられた「悪い遅れた」という声に顔をあげると、少しばつが悪そうな表情で佇む赤也がいた。
「練習が長引いちゃってさぁ、つーのもジャッカル先輩が…」
赤也を通り越して見える改札はまだ人のかたまりを押し出している最中で、ぞろぞろと断続的にひとだかりが流れ込んでくる。赤也はあの先頭を突っ走って来たんだろう。少し呼吸が乱れている。
「もしかしなくても怒ってる…?」
「いや全然。お疲れ様」 にっこりと微笑むと赤也は安堵の息を漏らす。
こんなにいっぱいの人が一つの駅にいるのに、もっと広範囲の日本で赤也と出会ったと言う事実になんだか感動してしまっただけよ。

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