好きだもの。

たとえば、くたびれた上履きのかかとの摩り減り方とか履き潰しとか。それだけで相手を分かるわけなんてないけど、なんとなく『それっぽくて』思わず笑ってしまう。
「謙也のうわばきかかとないやん」
「アホまだちょっとあるわ」
「てか穴あいとるやろお前」
白石があきれ半分笑い半分で指摘した反対側のかかとは持ち主同様、アホみたいに変なところに穴が空いている。
「摩擦や!アホすぎるわ〜」
「意味もなく走ったりするからや」
「お前ら二人とも何がそんなにおもろいねん!」
「靴までダッサいとか謙也ぽすぎるやろ」
結局私にしてしまえばなんでも『ぽくて』笑ってしまうんだけど。
「いっつも思うけどお前笑いすぎや」
「謙也やったら目合うだけで笑えるわ」

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -