君に言葉の雨が降る

「眠いか?」と問われて「少し」と返す。
「れんじの体温はあたたかい」
「お前の後頭部の温度だろう」
雨のように上空から降り注ぐ言葉を目を閉じて受け止める。
「ふふ、普通逆だよね」何気なく笑うと大きな手が私の額を撫ぜる。
「やはり朗読なんて退屈だったのではないか?」
「そんなことないよ」私からリクエストしたのに退屈であるはずがない。

「れんじの声大好き。とても心地いい」
だからもっと聞かせて、とねだると、もう一撫でして続きを読み始める。
愛しい人の唇から零れ落ちる美しい言葉と優しい声を溺れるように浴びる。これ以上の贅沢なんてきっとないわ。

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