あなたといるくらし(日吉)

相手のどこかに触れていると、相手の呼吸が分かる。だから体の部位が触れ合っているのが好き。
「ひよしー」薄い腹に背中から抱きつくと「なんですか」とそっけなく返事をして答える。普段通りのやりとり。肩ごしに日吉が読んでいる本を覗いて、飽きたら目を閉じて凭れ掛かる。日吉の呼吸に合わせて呼吸をしてみると、それは自分の間隔とは随分違っていて、少し息苦しい。こうやって練習してれば私たちの呼吸は重なるかもしれない。好きな色や眠りに落ちる時間、口癖や何気ない仕種とか、そういうものもきっと重なっていって、少しずつ『わたし』が『あなた』に侵食されていく。その感覚がとても気持ちがいい。

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -