無気力少女は戦闘狂(バーサーカー) | ナノ


3、自爆しました。  


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今日の時間割は、数学、国語、理科U、社会、英語、体育となんともスタンダードなもの。
うん、普通の人にとってはスタンダード。
だけど学校に通ったことのない僕にとってはハイレベルもいいところだ。

*数学*
「じゃあ、霞。この文字式を解いて」
「先生、あの、このバッテンのマークなんですか?」
『!?』

*国語*
「あの、笹川さん、これなんて読むの?」
「“(みどり)”だよ」
「えっと、じゃあこれとかこれとかこれとか」
「“樹液(じゅえき)”と“歴史(れきし)”と“葉脈(ようみゃく)”だよ」
「うー……こんなに聞いてごめんなさい」
「ううん、大丈夫だよ」

*理科U*
「今日はルーペを使って雄しべと雌しべの観察をしますよ」
「うわ何これ、すっごい大きく見える」
「霞さん、ルーペを目に近づけて、花を遠ざけたり近づけたりするんだよ」
「はっ!? なんか手が黄色くなった!?」
「あー、それあんた花粉がついたのよ。って霞! 舐めだらダメよ!」
「霞さん!」

*社会*
「笹川さん、この青いところなに?」
「海だよ」
「うみ?」
「霞さん行ったことない?」
「うん」
「それじゃあ海開きしたら一緒に遊びに行こう!」
「こらそこ! 無駄話しない!」
「「ごめんなさい」」

*昼*
「班作らなきゃ」
「パン?」
「なんで食べ物になるのよ。グループを作ろうってことよ」
「あ、ああ」
「霞さんも花も同じ班だね」
「給食は……あんたに任せたら大変そうね。あたしが取ってきてあげるから、京子行こう」
「うん」


「で、あんたはどっから来たの? 勉強とかさっぱりみたいだけど」
「その、僕、学校って初めてで」
「は?」
「生まれてから今まで外に出させてもらえなくて……だから何もわかんなくて」
「閉じ込められてたってこと?」
「そうなの、かな?」
「そっか。でも大丈夫だよ。何かわからないことがあったら言ってね」

それ、ツナにも言われたよ。
うー……京子ちゃんも花ちゃんも原作のキャラだからあんまり関わらない方がよかったかもしれないけど、隣だし、優しいしなぁ……。
午後はあんまり迷惑かけないようにしないと。

*英語*
「見たことない字が羅列してる!?」
「せめてアルファベットは覚えよう?」

結局ダメだった。
だって、わかんないんだもん。
しょうがないじゃないか。

*体育*
一番問題すぎる時間が来てしまった。
体が弱いと言う理由で外に出してもらえなかった僕は運動なんてもってのほかだ。
けど、やらない訳にはいかない。
だってなんだかんだ言って楽しみだったんだから。

「まずはウォーミングアップでグラウンド一周して来てください」
ピッ
「霞さん大丈夫?」
「何も僕に伴走してくれなくてもいいのに……」
「地味に平気そうね。それじゃ先に行っちゃいましょ」
「う、うん。無理しないでね?」
「行ってらっしゃい……ぜぇ……はぁ……」

やばいかも。
京子ちゃんが心配してくれてる以上に、僕が思ってる以上に、意外とやばいかも。
ほんの数メートルしか走ってないのに息苦しい。
くらくら、する……。

どさっ
「霞さん!?」
「言わんこっちゃない」

次に僕が目を覚ましたのは保健室のベッドの上でだった。
京子ちゃんや花ちゃんはもちろん、ツナまで様子を見に来てくれていた。
嬉しいけど嬉しくない。
まだリボーンが来る前の段階でよかった。

「笹川さん、ごめんなさい」
「謝らなくていいよ」
「心配かけたことに関してだったらここにいる全員に言いなさいよ。なんでか知らないけど沢田も来たんだから」
「うー……黒川さんに沢田君もごめんなさい」
「霞さんって体弱いの? 大体は京子ちゃんたちから聞いたけど」

言ったのかよ京子ちゃんや。
いや別に言っちゃダメとか言ったわけじゃないし、京子ちゃんと花ちゃんに話した時に何か抵抗があったわけでもないけど。
けど、ほら、ツナに知られたら後々リボーンに伝わってなんかありそうで怖いんだよね。

「体育の時は無理しないで休んだ方がいいよ」
「うん」
「あたし的には一回病院行って来た方がいいと思うよ。だって家から出てないってことはどこが悪いとかも知らないんでしょ?」
「うん」
「そうだね。明日お父さんかお母さんに頼んで見たら?」
「ううん。親いない。だから学校に来れてる」
「「「え!?」」」

ああ、そっか。
あの話の流れだとみんなはようやく親が許しを出して外に出してくれたと思ってたんだね。
正確に言えば僕が一度死んだから転生して一人暮らしでここにいるんだけど、そんな話したら頭打ったとでも思われるのがオチだ。
だから一応は、親が死んだことにでもしておけばいいだろう。

「大丈夫、一人で行く」
「ダメよ、却下。あんた一人歩きして倒れられても困るもの」
「うん、オレも心配だよ」
「私も」

ああ神様ー、この人たち親切だよー。
親切すぎて涙が出ちゃうよー。
原作入ってからの巻き込まれ率が上がる気がして涙が出ちゃうよー。

「しょうがないわね。先生に話してあたしが付き添いするわ」
「え?」
「花が行くなら私も付き添うよ」
「ならオレも」
「あんたはダメよ沢田。こんな霞と肩を並べられるほどのバカなんだから」
「げっ」
「あんたの隣の席があたしだってこと忘れたの?」

へー、そうだったんだ。
あれ、じゃあなんでツナはお昼の時グループ違うところだったんだろう?
人数的な問題で違うとこ行っちゃったのかな?
それはそれでいいや。

「じゃ、じゃあ黒川さんと笹川さん、お願いします……」

そんなわけで、明日は3人で学校を休んで病院に行くことになりました。

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花の出番が多すぎでマジワロタの状態です。

[ | mokuji | ]







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